パラジウムの先物価格が最高値更新 小麦も14年ぶりの高値水準

ロシアによるウクライナへの侵攻を背景に、工業用や医療用に使われている希少金属、パラジウムの先物価格が7日、取り引き時間中の最高値を更新したほか、小麦価格も14年ぶりの高値水準に上昇し、幅広いものの価格高騰が世界経済に悪影響を及ぼすことが懸念されます。

ニューヨーク商業取引所では7日、パラジウムの先物価格が一時、1トロイオンス当たり3425ドルまで上昇し、去年5月につけた取り引き時間中の最高値を10か月ぶりに更新しました。

パラジウムは自動車の排ガスの抑制や銀歯など工業用や医療用に使われる希少性の高い金属で、ロシアが世界有数の産出国として知られています。

軍事侵攻によって厳しい経済制裁を受けているロシアからの供給が滞る懸念から価格が高騰しています。

また、シカゴ商品取引所では7日、国際的な指標となる小麦の先物価格が一時、1ブッシェル当たり12ドル94セントと2008年3月以来、14年ぶりの高値水準まで上昇しました。

世界有数の小麦の輸出国であるウクライナとロシアからの輸出が滞ることへの懸念が一段と強まっているためです。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をきっかけにエネルギー関連をはじめ、幅広いものの価格が上昇していて、こうした状況が長引けば、世界経済の大きな懸念材料になるおそれがあります。