ロシアとウクライナ 停戦に向け3回目の交渉も 隔たり埋まらず

ロシアがウクライナへの軍事侵攻を続ける中、首都キエフなど4つの都市から市民を避難させる試みは、戦闘が収まらず、7日も実現できませんでした。
こうした中、ロシアとウクライナは停戦に向けた3回目の交渉を行いましたが、依然、双方の立場の隔たりは埋まっていません。

4都市からの避難は3日連続で暗礁に

ロシア軍は、7日もウクライナ各地で侵攻を続け、国連人権高等弁務官事務所は、これまでに子ども27人を含む、少なくとも406人の民間人の死亡が確認されたと発表し、犠牲が広がっています。

ロシア国防省は7日、首都キエフやハリコフ、東部の要衝マリウポリ、それに北東部のスムイで市民のための避難ルートを設置し、これらの地域で一時的に停戦すると発表しました。

しかし、その後、ロシア側とウクライナ側はそれぞれ相手が攻撃を行ったと批判し、市民を避難させることができませんでした。

市民を避難させる試みは、これで3日連続で暗礁に乗り上げています。

新たな仲介の動きも

こうした中、停戦に向けたロシアとウクライナとの3回目の交渉は7日、ポーランドとの国境付近のベラルーシ西部で行われました。

協議の後、ロシア代表団のトップ、メジンスキー大統領補佐官は「期待は実現できなかった。次回の進展を期待したい」と述べ、ウクライナ代表団のポドリャク大統領府顧問も「避難ルートについては小さな進展があった」と述べるにとどまりました。

双方は引き続き交渉を継続するとしていますが、市民の避難も実現できない中、停戦に向けて大きな進展はありませんでした。

仲介に向けた新たな動きも出ています。

トルコ政府は、ロシアのラブロフ外相とウクライナのクレバ外相を招き、今月10日にトルコで3者会談を行うと発表しました。

ただ、プーチン大統領は、ウクライナの「非軍事化」と「中立化」といった要求が受け入れられないかぎり、軍事作戦は停止しないと主張していて、依然、双方の対立が続いています。

米英独仏の首脳が会談 ウクライナの支援継続で一致

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナ情勢について、アメリカのバイデン大統領は7日、主要な同盟国であるイギリス、ドイツ、それにフランスの首脳とオンラインによる会談を行いました。

バイデン大統領、イギリスのジョンソン首相、ドイツのショルツ首相、それにフランスのマクロン大統領の4人の首脳による会談はおよそ1時間20分にわたり、ロシアへの圧力の強化やウクライナへの支援の継続などで一致しました。

これについて、アメリカのホワイトハウスは会談後に発表した声明で「首脳らは理不尽で正当化できないロシアの軍事侵攻に対し圧力を強化していく決意を確認した。そしてウクライナに安全保障や経済面、人道面などさまざまな分野で支援を続けていくことを強調した」としています。

また、ドイツ政府の報道官は「ウクライナの市民の保護が最優先事項であるとともに、ロシアに対して国際法に違反している軍事侵攻を即座にやめ、部隊を完全に撤退させるよう求めることで一致した」とする声明を発表しました。

一方、フランスの大統領府は、マクロン大統領が前日に行ったロシアのプーチン大統領などとの会談内容について共有するとともに首脳らが「ロシアとベラルーシに対する制裁を強化する決意で一致した」としています。

イギリスの首相官邸は、この4か国の枠組みでの協議を今後も続けていくことで合意したとしていて、ウクライナ情勢をめぐり主要な同盟国が足並みをそろえて対応していきたいねらいとみられます。