EU加盟国 ウクライナなどの加盟交渉に向け 手続き開始で合意

ウクライナなど旧ソビエトの3か国がEU=ヨーロッパ連合への加盟を申請したことを受け、EU加盟国は交渉開始に向けて必要な手続きを始めるよう、EUの執行機関、ヨーロッパ委員会に求めることで合意しました。

ロシアによる軍事侵攻が始まったあとの先月28日、ウクライナはEUへの加盟を申請し、今月3日にはロシアを警戒するモルドバとジョージアも加盟を申請したと発表しました。

EUの議長国を務めるフランスは7日、加盟国の大使級が協議し、交渉開始に向けて必要な手続きを始めるよう、ヨーロッパ委員会に求めることで合意したと明らかにしました。

具体的には、3か国の政治や経済などさまざまな分野の現状を精査し、各国が交渉を始められる段階かどうか見解を示すよう、ヨーロッパ委員会に求めています。

EUでは加盟交渉を始めるにあたってすべての加盟国の同意が必要ですが、EUのミシェル大統領は新規加盟について「EUの中にはさまざまな意見があり難しい問題だ」と述べていて、3か国の加盟がいつ実現するのかは見通せない情勢です。

プーチン大統領 “ウクライナが避難を妨害 停戦が実現できず”

ロシアのプーチン大統領は、7日、EU=ヨーロッパ連合のミシェル大統領やインドのモディ首相と電話で会談しました。

ロシア大統領府によりますと、プーチン大統領はこのうちEUのミシェル大統領との電話会談の中で「ロシア軍は市民を避難させるため何度も停戦を宣言した。しかし、ウクライナ側が住民に対する暴力や挑発行為で阻止した」と主張し、ウクライナ側が市民の避難を妨害し、停戦が実現できないと非難しました。

EU 避難者の医療支援も強化へ

EU=ヨーロッパ連合はウクライナから避難してきた人のうち、けがをした人やウクライナでがんなどの病気の治療を受けていた人などに対する支援を強化することを明らかにしました。

EUで保健政策を担当するキリアキデス委員は7日、ウクライナと国境を接するポーランドを訪れました。

そして記者団に対し「域内の各国にこれまでに1万を超えるベッドを確保した。子ども用のベッドやがんの患者、やけどをして集中治療が必要な患者などのためのベッドだ。こうした患者を速やかに、そして安全に移送できる態勢を整えるため手続きを進めている」と述べ、EUに逃れてきた人たちが必要な治療を受け続けられるよう対応を急ぐ考えを示しました。