首都圏から地方に本社移転は350社超に 11年ぶり「転出超過」

首都圏から地方に本社を移した企業が去年、350社を超え、11年ぶりにいわゆる「転出超過」となったことが調査会社のまとめで分かりました。
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、リモートワークが定着したことなどが背景にあるとみられます。

帝国データバンクの調査によりますと、去年、東京・神奈川・埼玉・千葉の首都圏の1都3県から本社や本社機能を地方に移転した企業は351社で、データが残る1990年以降で最も多くなりました。

一方、逆に地方から首都圏に本社を移転した企業は328社で、転出が転入を23社上回り、11年ぶりに「転出超過」となりました。

これは、新型コロナをきっかけに企業の間でリモートワークが定着したことや、オフィスの賃料などコストが高い東京などを避けようという動きが広がったためとみられます。

コロナ前の2019年と比べて首都圏からの企業の転入が最も増えたのは北海道で、次いで大阪府、宮城県などとなっています。

帝国データバンクの上西伴浩情報統括部長は「東京では採算が合わないため転出する企業が増えた一方、地方で新たなビジネスに挑戦したいという経営者も多い。こうした企業を受け入れる素地があれば、地方経済が活性化する好循環が生まれる」と話しています。