ウクライナから7万人以上避難 ルーマニア 国境近くの街では

ウクライナ南西部と国境を接するルーマニアには、これまでにウクライナを逃れてきた7万人以上が避難していて、国境に近い北部のシレットでは、7日も多くの女性や子どもたちが避難してきていました。

検問所近くでは、政府やNGOのスタッフ、それに地元のボランティアの人たちが、雪が降る厳しい寒さの中を避難してきた人たちに、温かい食事や飲み物をふるまったり、防寒着を手渡したりしていました。

国境から300キロ以上離れたウクライナの町から、子どもを連れて逃れてきた女性は「ウクライナでは食料が不足しています。ここにくるまでの道や橋などは、戦闘で破壊されていました。避難できて安心しましたが、夫は国を守るためにウクライナに残っており、とても悲しいです」と涙ながらに話していました。

炊き出しをしていた男性は「家でテレビを見ているだけではなく何かしたいと思い、ボランティアで支援しています。4時間で200食を配り続けています」と話していました。

また、ルーマニア政府は、国境近くのスタジアムにおよそ400人が滞在できる臨時の避難所を設け、食堂やインターネットが無料で利用できるということで、7日の時点で200人ほどが身を寄せているということです。

国境に近いポーランドの町にも避難者が到着

ウクライナとの国境に近いポーランドの町、プシェミシルに地元自治体などによって設けられた一時避難所には、国境を越えて逃れてきたウクライナの人々を乗せたバスや車が次々と到着しています。

この避難所は、今は使われていない大型のショッピングセンターを利用したもので、かつて店舗があったスペースにマットなどが敷き詰められています。

今は数百人が身を寄せていて、ボランティア団体が食事などを提供していました。

多くの人々は、このあと、ポーランド国内やほかのヨーロッパの国に暮らす親戚や知人のもとに向かうということです。

このうち母親と一緒にウクライナ東部の町から逃れてきたという17歳の女性は「最初は家の地下室に避難していたが、危険が迫り、国を出る決断をした。父親はウクライナに残って戦闘に参加し、祖国を守っているが連絡がなかなかとれず心配だ」と話していました。