ウクライナ南部の住民 “食料が底をつくおそれあっても抵抗”

すでにロシア軍が占領したとされる南部の都市へルソンの住民が7日、NHKのオンラインインタビューに応じ、食料があと1週間ほどで底をつくおそれがあるものの、それでも住民たちは、ロシア軍に対して抵抗の態度を示すなど、現地の厳しい状況を語りました。

映像は、ウクライナ南部の都市へルソンの中心部で撮影されたものです。

ロシア側からの救援物資が積まれたトラックを前に、住民らが「ロシアからの救援物資はいらない」などと声を上げ、受け取りを拒絶する様子が撮影されています。

へルソンに住む50代のウクライナ人の男性が7日、NHKのオンラインインタビューに応じました。

男性によると、現在、へルソンの住民らはロシア軍に囲まれ、街の外に出ることができない上、ウクライナ側からの救援物資の受け入れをロシア軍が拒否していることから、食料が底をつきつつあるということです。

それでも、ロシア軍側から食料を受け取ろうとしている住民はいないとしたうえで、「地元の人たちは占領者に対して非常に否定的だ。なぜなら、彼らは急にやってきて、平和な街を乗っ取ってしまったから。われわれは皆、これに対抗している。デモの様子を見れば、侵略者に対するへルソン住民の態度がわかるはずだ」と述べました。

また男性は街の状況について、「へルソンはすでに占領されているため、実際の戦闘行為は行われていない。われわれのおかれている状況はとても静かだが、占領されていることや町を出られないということは精神的にとてもつらい。ロシアの武装車両が市役所の前に止まっている。数時間おきに戦車などが町を走っている」と述べました。

さらに男性はインタビューの中で、地元の市場では住民たちが残された食料を買おうと4時間も列に並んでいると話したうえで、「今、うちには1週間分の食料があるが、そのあとはどうなるかわからない。今は、できるだけ遅くに起きて、食事の回数を減らしている」と語り、国際社会にヘルソンの住民たちが置かれた窮状をぜひ知ってほしいと訴えていました。