ロシアほぼ全域の危険情報を引き上げ 渡航中止を勧告 外務省

ウクライナとの国境周辺の地域を除くロシア全域について、外務省は「危険情報」を渡航中止を勧告するレベル3に引き上げました。

ウクライナとの国境周辺地域では先週、「危険情報」が最も高いレベル4に引き上げられ、退避が勧告されています。

外務省は、各国によるロシアの航空機に対する飛行禁止の措置などを受けて、今後、移動手段がいっそう制限されるおそれがあるとしています。

このため、滞在する日本人に商用便での出国の検討を求めるとともに、目的に関わらず渡航をやめるよう呼びかけています。

外務省によりますと、ロシアで在留届が出されている日本人は6日時点で、およそ2400人いるということです。

松野官房長官「在留邦人の安全確保に万全を」

松野官房長官は、午前の記者会見で「ロシアによるウクライナ侵略に対する各国の制裁措置と、それに対するロシアによる対抗措置を受けて航空便の運航停止が相次ぎ、ロシアからの出国手段が著しく制限されている。また、各国の制裁措置により、ロシアの市民生活にも影響が出始めており、種々の緊張した状況が生じうると見込まれる。これを受け、本日、ロシア全土の『危険情報』をレベル3に引き上げるとともに、在留邦人に対し、商用便による出国を検討するよう呼びかけている」と述べました。

そのうえで「状況は流動的であり、ロシアの状況に最新の注意を払い、機敏に対応して在留邦人の安全確保に万全を期していく考えだ。なおロシアの在留邦人数は3月6日時点の在留届ベースで約2400人だ」と述べました。

日本企業の駐在員 帰国させる動き広がる

ロシアに進出する日本の企業の間では、現地の状況や政府の対応を踏まえ、駐在員を帰国させる動きが広がっています。

ウクライナとの国境周辺の地域を除くロシア全域について、外務省は「危険情報」を、渡航中止を勧告するレベル3に引き上げています。

こうした中、ロシアに工場があるトヨタ自動車は、駐在員とその家族、およそ50人に対して、帰国するよう指示していて、日産自動車も同様の指示を行ったということです。

このほかの企業でも、東芝が駐在員とその家族を帰国させる方向で準備を進めているほか、ロシアに工場や拠点がある三菱自動車工業と大王製紙は、すでに帰国させる措置を取ったということです。