イラン核協議 ロシアがアメリカをけん制 ウクライナ情勢影響か

大詰めを迎えているイラン核合意の協議に参加しているロシアは、イランとの経済関係を妨害することがないよう、アメリカに確約を求めたことを明らかにしました。ウクライナへの軍事侵攻を受けて経済制裁が科される中、イランとの関係を持ち出してアメリカをけん制した形で、核協議への影響が注目されます。

アメリカとイランは核合意の立て直しに向けて、イランの核開発をどのように制限するかやイランの経済制裁をどこまで解除するかなどについて間接的な協議を行っていて、ロシアも関係国の1つとして参加しています。

去年4月から始まった協議は大詰めを迎えていますが、ロシアのラブロフ外相は5日になって「イランとの間の自由で開かれた貿易や経済、投資における協力や軍事技術の協力が妨げられることがないようアメリカに確約を求めた」と明らかにしました。

ウクライナへの軍事侵攻を受けて厳しい経済制裁が科される中、イランとの関係を持ち出してアメリカをけん制した形です。

これに対し、アメリカのブリンケン国務長官は6日、アメリカメディアの取材に「ロシアへの制裁は、イラン核合意やその協議の行方とは関係のないものだ」と述べ、核協議とウクライナ情勢は全く別の問題だという立場を強調しました。

これまでの協議でロシアは、アメリカとイランの橋渡し役として一定の役割を果たしてきたほか、イランの核開発を制限する上でも重要な役割を担っていて、ウクライナ情勢を受けた新たな要求が、協議にどのような影響を与えるのか注目されます。