推理小説作家 西村京太郎さん死去 91歳

鉄道や観光地を舞台にしたいわゆる「トラベルミステリー」の第一人者として知られる推理小説作家の西村京太郎さんが、がんのため亡くなりました。
91歳でした。

西村さんは東京で生まれ、作家としての活動を始めたあと、社会派の推理小説、「天使の傷痕」で江戸川乱歩賞を受賞し、その後、鉄道や観光地を舞台にしたいわゆる「トラベルミステリー」と呼ばれる分野の推理小説を数多く発表しました。

主人公として、警察官の「十津川警部」が登場する作品は、テレビドラマとしてもシリーズ化されるなど、人気作家としての地位を築きました。

西村さんは3月3日、肝臓がんのため神奈川県内の病院で亡くなりました。

西村京太郎さんと戦争

西村京太郎さんは、鉄道や観光地などを舞台にした「トラベルミステリー」で知られていますが、戦後70年を境に、自身のミステリー小説の中に戦争の話題を頻繁に書くようになりました。

戦争の話題を入れるようになった理由について、西村さんは2017年のNHKの取材に対して、戦争を経験した人間としての責任と、戦争の記憶が薄れていることへの危機感をあげていました。

西村さんは幼少期に陸軍幼年学校に通い、「学校では校長先生が『絶対に勝つ』と言っているから、武器も持ってないんだけど、言われると勝てそうな気がする。ほとんど疑わないですよね」と当時の状況を振り返りました。

今の日本人も当時の記憶を失ってしまうと、疑うことなくまた戦争を始めてしまうのではないかと、戦争についての話題を書くことにしたと語っていました。
西村さんは、「戦争が始まっちゃうと、ひたすら国のために死ねって言われて。ほんと死ねなんて言葉、言っちゃいけないんですよね。それなのに死ねって言われて。戦争の怖さとか、爆撃を受ける怖さとかを書いた方がいいと思って自分の本に戦争について書いている。正しくても間違っていても、戦争はダメですよね」と話していました。