ウクライナへの支援呼びかける最大規模のデモ行進 東京

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で民間人にも多数の死傷者が出る中、日本に住むウクライナ人などが支援を呼びかける侵攻後最大規模のデモ行進が東京で行われました。

東京・渋谷区で行われたデモ行進にはSNSでの呼びかけに応じた日本に住むウクライナ人などさまざまな国籍や年代の人たちが参加し、軍事侵攻後最大規模のおよそ2000人が集まりました。

参加した人たちはウクライナの国旗をイメージした青と黄色の洋服などを身につけ「NO WAR」と書かれた紙を掲げたり、シュプレヒコールを上げたりして支援を呼びかけていました。

デモに参加したウクライナ出身の女性は「現地にいる家族から毎朝“大丈夫”とメッセージがきますが、それは、“夜が終わり、生きている”という意味です。その状況をどう思うかと聞かれても、ことばにできません。戦争を止めてほしいし、日本ができることをやってほしいです」と話していました。

また、母親がウクライナ人で父親が日本人だという16歳の男性は「現地に住んでいる家族もいるので、毎日、心配していますが、何もできないことが悔しくてデモに参加しました。戦争を終わらせてほしいという気持ちが届くといいなと思います」と話していました。

主催した団体のメンバーでキエフ出身のコヴァリョヴ・ユリさんは「孤立している地域もあり、食べ物や薬が足りない状況も起きています。ウクライナの現状を知ってもらい、人道的な支援につなげていきたい」と話していました。

ハリコフ出身者「実家が被害 ことばにならない」

ロシア軍の激しい攻撃を受けたウクライナ第2の都市ハリコフ出身のロマンさんは戦争の停止を訴えるためにデモ行進に参加しました。

両親が住むハリコフの実家は数日前に被害を受け、父親とは4日間、連絡が付かない状態でしたが5日、ようやくSNSで連絡を取ることができたということです。

現地の妹から送られてきたという実家の写真からは爆弾で壁が大きく壊れている様子がうかがえました。

ロマンさんは現在の状況について「実家が被害を受けた写真を見たときはことばになりませんでした。ハリコフは毎日空爆があって、数日前から停電になっています。気温はマイナス2度ほどで家が壊れると住むことはできません。停電しているので、携帯の充電も十分ではなく、思うように家族と連絡がとりづらい状態です」と話していました。

そのうえで「ハリコフにいた妹も空爆が続くので小学生の2人の子どもを連れて車で国外に避難しているところです。避難できたら日本に呼びたいと考えています」と話しています。

ロシア人の参加者も「ロシア人として恥ずかしい」

デモ行進にはロシア人の姿も見られました。

IT企業に勤めるセルゲイ・ストラシュコさんは、妻がウクライナ人で来日して20年になるということです。

ストラシュコさんは「ロシア人として恥ずかしい。外交で解決できないならプーチンを替えるべきだ。ウクライナ人とかロシア人とか日本人とか言う前にみんな同じ人間です。人間としてみんな戦争に反対しなければならないと思いデモに参加しました」と話していました。