台湾 予備役の戦力強化へ “ウクライナ軍を参考に”

台湾の国防部は有事の際に動員する予備役の戦力を強化するため、ことしから訓練の日数を倍に延長し、5日に延長後初めての訓練が始まりました。

国防部は大勢の予備役を動員しているウクライナ軍を「今後の参考にする」としています。

中国の軍事的圧力が増しているのを受けて、台湾の国防部は有事の際に動員する予備役の戦力強化に取り組んでいて、具体策の1つとしてことしから1回の訓練の日数を従来の倍の14日間に延長しました。

5日から延長後初めての訓練が台湾各地で順次行われ、このうちおよそ500人が招集された北部の桃園にある部隊では、召集令状を手にした人たちが指定された場所に朝から次々と集まりました。

招集された30代の男性は「台湾は大きくありませんから、自衛のために訓練を強化することが必要です」と話していました。

訓練日数の延長はロシアによるウクライナ侵攻の前から決まっていましたが、国防部は大勢の予備役を動員しているウクライナ軍の状況について「予備役部隊の編成や訓練、どのように戦力を発揮させるかについて、台湾の今後の参考にする」としています。

蔡英文政権は、万一の台湾有事の際にアメリカの支援を期待していますが、去年のアフガニスタンからのアメリカ軍撤退や現在のウクライナ情勢を踏まえ、台湾が自衛の決意と能力を持つことが先だという姿勢を繰り返し強調しています。