パラリンピック ウクライナ出身の米代表選手が金 バイアスロン

北京パラリンピックの最初の競技のひとつとして5日に行われた、バイアスロン女子6キロ、座って滑るクラスでは、ウクライナ出身でアメリカ代表のオクサナ・マスターズ選手が金メダルを獲得しました。

アメリカのオクサナ・マスターズ選手は、北京大会が冬と夏通じて6回目のパラリンピック出場で、冬はクロスカントリースキーとバイアスロン、夏はボートと自転車の競技に出場し、合わせて10個のメダルを獲得している、世界的なパラアスリートです。

1989年にウクライナで生まれたマスターズ選手は、生まれたときから両足の長さが異なる障害があり、7歳のときにアメリカ人の養女となりました。

北京大会の開幕を前に今月1日に本番の会場で行われた練習で、マスターズ選手は、ビブスの左胸にウクライナの国旗をハートにかたどったマークをつけて、ロシアによる軍事侵攻が続く出身地のウクライナへの思いを表していました。

マスターズ選手は、北京パラリンピックの最初の競技のひとつとして5日午前に行われた、バイアスロン女子6キロ、座って滑るクラスに出場し、2回の射撃で10発をすべて成功させて、トップでフィニッシュし、パラリンピックで自身11個目のメダル獲得を果たしました。

銀メダルは中国の単怡霖選手、銅メダルはアメリカのケンドール・グレッチ選手でした。

「金メダルはウクライナのためのものでもある」

マスターズ選手は「アメリカとウクライナという2つの国を代表できることを、とても誇りに思っている。スポーツの力というのは本当にすばらしく団結することで、自分たちの力以上のものを表現することができる。この金メダルは、幼い私に闘う意欲と、困難な状態に立ち向かう力を学ばせてくれた、ウクライナのためのものでもある」と思いを語りました。

そのうえで「私はロシアとベラルーシの出場できなかった選手たちにも心を寄せたい。スポーツは団結すべきだし、すべてのアスリートに機会が与えられるべきだが、そうならなかったことは不幸なことだと思う」と話しました。

そして「今の状況はアスリートが選んだものでも頼んだものでもない。平和が訪れ、すべてのアスリートがひとつになってレースができることを願っている」と話していました。