ウクライナへのロシアの軍事侵攻 学校現場でも学びが…

連日続くロシアによるウクライナへの軍事侵攻。いま起きている事態を子どもたちはどう受け止め、考えればいいのか。学校現場でも学びが始まっています。

宮崎県五ヶ瀬町にある県立の中高一貫校、「五ヶ瀬中等教育学校」で、4日行われた授業には高校1年生にあたる4年生、およそ40人が出席しました。

生徒たちにはなじみの薄いウクライナについて、地理と世界史の2人の教諭がそれぞれの観点から共同で授業を行いました。

生徒たちはウクライナが世界有数の小麦の生産地で「ヨーロッパのパンかご」と呼ばれていることや、ボスポラス海峡などを通じて地中海に出られる地政学的な位置を学びました。

そして、旧ソビエト連邦有数の工業地帯であることや東部と西部では民族的に違いがあることなどを学んだあと、グループごとに、いま起きている事態とどうつながっていると思うか話し合っていました。

最後に今後調べたいテーマを出し合い、生徒たちからはなぜ今、軍事侵攻なのかなど、疑問が出されていました。

生徒の1人は「どこか遠いところでの他人事だと思っていたが、この問題をどう考えたらいいのかヒントをもらえた授業だった」と話していました。

授業を行った地理の上田聖矢教諭は、「世の中で起きていることに常にアンテナを張るとともに、基礎的な知識を身につけて考える力を養い、社会に出たときの行動につなげてほしい」と話していました。

子どもとどう向き合う 専門家に聞く

緊迫するウクライナ情勢に関する情報が連日、テレビやSNSなどで発信されています。
大人は子どもとどう向き合ったらいいのか、専門家にポイントを聞きました。

“話題避けずに子どもと対話を”

災害や戦争が人の心に与える影響について詳しい目白大学保健医療学部の重村淳教授は「『あまり触れたくない』と思うかもしれないが、これはウクライナだけの問題ではなく世界全体の問題で目を背けるわけにはいかない。また、子どもも自分なりに考え、悲しみや怒りなどの感情を持っている。大人はウクライナの話題を避けずに、まずは子どもたちとしっかり対話してほしい」と対話することの重要性を指摘しています。

“穏やかに、そしてわからないことはわからないと言って”

そのうえで、戦争について子どもと話す時には
▽状況を子どもがどこまで知っているか確認すること、そして
▽子どもが怒りや悲しみ、不安に思っている点など何を感じているのか聞き取ることが重要だとしています。

重村教授は「子どもが抱えている感情は大人と同じとは限らない。穏やかになるようつとめ、冷静に子どもの意見を聞いてほしい。子どもに聞かれたことが分からなかったとしても決してごまかしたりせず、この問題は大人でも分からないことがあるような複雑な問題だ、ということをしっかり伝えてほしい」と話していました。

子どもの行動や意思を大切にして

会話をする中で、子どもが「自分にできることを何かしたい」と言った場合、どうしたらよいか。

重村教授は、「子どもの思いを大切にしてあげてほしい。募金活動に参加するほか、この問題について調べて考える、そして、まわりに広める、というのも立派な行為で子どもであってもできることはある」と話していました。

小さな子どもやトラウマがある人 メディアの見過ぎは注意

一方、テレビやSNSではつらくなるような映像も流れることから、重村教授は特に小さな子どもや、トラウマがある人などは注意すべき点もあるとしています。

アメリカで起きた同時多発テロの際、メディアに接触する時間が長ければ長いほど、心に受ける傷が深くなってしまったという調査もあるということです。

注意点として挙げたのは1「ながら見」2「長時間」3「繰り返し」です。

「ながら見」は意識しないうちに、繰り返し戦争の映像を目にすることにつながるため、注意が必要だとしています。

重村教授は「幼い子どもはウクライナだけでなく、海外すべての地域で危険が迫っていると感じ、過剰な恐怖や不安を抱いてしまうおそれもある。メディアに接する時間を決めるなどの対応が必要だ」と話していました。