ウクライナの原発を攻撃 政府が強く非難 自衛隊の物資を提供へ

ロシア軍がウクライナの原発を攻撃したことをめぐり、政府は原発事故を経験した日本としてこのような蛮行は断じて認められないと強く非難し停戦などを求めていく方針です。
一方、政府はウクライナからの要請を踏まえ、防弾チョッキや非常用の食料など自衛隊が保有する物資などを提供する方針を決めました。

ウクライナ情勢をめぐっては、南東部にあるヨーロッパ最大規模のザポリージャ原子力発電所がロシア軍による攻撃を受けて掌握され、一層緊迫の度合いが増しています。

岸田総理大臣は4日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話で会談し、「前代未聞の暴挙に驚がくし、激しい憤りを感じている。東京電力福島第一原子力発電所の事故を経験した日本として、このような蛮行は断じて認められず、最も強いことばで非難する」と述べました。

政府は、原発事故が起きれば周辺国の広範な地域に深刻な影響を及ぼすとして、ロシアに対し原発の安全な操業の確保と停戦を強く求めていく方針で、国際社会とともに最大限の制裁措置も講じていくことにしています。

また原子力規制庁によりますと、今のところ日本国内の放射線量の値に変化はないということですが、政府は引き続き現地の情報収集と分析を続けるとともに、今後影響が生じないか注視していくことにしています。

一方、政府は事態が悪化する中、ウクライナからの要請を踏まえ、防弾チョッキやヘルメット、それに非常用の食料など、自衛隊が保有する物資などを提供する方針を決めました。

今回の提供について政府は、防衛装備品の輸出を一定の条件のもとで認める「防衛装備移転三原則」の範囲内だとしており、早急な支援の実施に向けて具体的な輸送方法などの調整を急ぐことにしています。