SMBC日興証券本社を強制捜査 幹部らが相場操縦の疑い 東京地検

SMBC日興証券の幹部社員らが特定の銘柄について不正な株取引をした疑いがあるとして東京地検特捜部が4日夜、都内の本社を捜索し、金融商品取引法違反の相場操縦の疑いで強制捜査に乗り出したことが関係者への取材でわかりました。
特捜部は、幹部社員らから事情を聴いて、取引の詳しい経緯について実態解明を進めるものとみられます。

東京地検特捜部の捜索を受けているのは東京 千代田区のSMBC日興証券の本社です。

関係者によりますと、SMBC日興証券の幹部社員らは特定の銘柄について不正な株取引をしたとして、金融商品取引法違反の相場操縦の疑いがあるということです。

SMBC日興証券は去年6月、相場操縦の疑いで証券取引等監視委員会の強制調査を受け、東京地検特捜部も幹部社員らから任意で事情を聴くなど捜査を進めていました。

幹部社員らは、これまでの特捜部などの任意の調べに対し、取引の違法性を否定していたということです。

大手証券会社が相場操縦の疑いで検察の強制捜査を受けるのは極めて異例で、特捜部は監視委員会と連携し、幹部社員らからも事情を聴いて、取引の詳しい経緯について実態解明を進めるものとみられます。

SMBC日興証券は、「捜査に関わることについては、コメントはできない」と話しています。

SMBC日興証券とは

SMBC日興証券は、三井住友フィナンシャルグループの100%子会社で、日本の大手証券会社の1つです。

前身は日興コーディアル証券で、かつてはアメリカの大手銀行「シティグループ」の傘下にありました。

しかし、金融危機によってシティグループが経営不振に陥ったことを受けて、2009年に三井住友銀行が買収し、「三井住友フィナンシャルグループ」の傘下に入りました。

2011年には、社名を今の「SMBC日興証券」に変更し、2018年には、もともと三井住友フィナンシャルグループの傘下にあった「SMBCフレンド証券」と合併しました。

国内のほか、アメリカやイギリス、中国などにも営業拠点があり、預かり資産は、去年12月末時点で74兆5000億円と、「野村証券」「大和証券」に次ぐ業界3位となっています。

過去の株価操縦

証券会社による相場操縦をめぐっては、過去には経営のトップが起訴されたケースもあります。

名古屋市に本社がある「丸八証券」は、上場の手続きをした大阪の企業の株価の値下がりを防ぐため、顧客から一定の価格で買い注文を取り次ぐよう担当者に指示し、会社ぐるみで株価を不正に操作したとして、2008年に元会長らと会社が起訴されました。

2016年には「モルガン・スタンレーMUFG証券」が、上場企業の株式について実際に購入する意思がないのに大量の買い注文を出す方法で株価を不正に操作したとして、金融庁からおよそ2億2000万円の課徴金を納付するよう命じられたほか、2018年には「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」が同様の方法を使って日本の長期国債の先物取引で、価格を不正に操作していたとして金融庁から2億1800万円あまりの課徴金の納付を命じられました。

また、2019年には外資系の「シティグループ証券」が、取り引きを管理するシステムの不備で相場操縦などの不正な取り引きを見逃していたとして、金融庁から業務改善命令を出され、イギリスの関連会社が1億3000万円あまりの課徴金を納付するよう命じられています。