「まん延防止」延長など決定を前に 国会で各党による質疑

新型コロナ対策のまん延防止等重点措置の延長などの決定に先立って、国会では、政府による事前の報告と各党による質疑が行われました。

自民党の山田賢司氏は、まん延防止等重点措置の効果について「延長の対象地域からは不安とともに『またか』という声も伺っている。重点措置の対策、とりわけ飲食店の営業時間短縮などは効果があるのか」と質問しました。

これに対し、山際新型コロナ対策担当大臣は「飲食店においては、重点措置を適用したことによりクラスターの数が減っており、効果はある程度ある。確実に新規感染者数は低下傾向になっており、もうしばらく一緒に頑張っていただきたい」と述べました。
立憲民主党の野田国義氏は「沖縄県は重点措置を早く解除したが、リバウンドして新規感染者が1000人を超えた。これから卒業や入学、花見といろいろなイベントが続くが、何とか抑え込んでいかないといけないがどう取り組むのか」と質問しました。

これに対し、山際大臣は「沖縄は子どもと若い方々でかなり新たな感染者数が増えてきている。高齢者はワクチン接種などが進んでいるということもあり、今のところ増えていないが、この状況で抑えられるかどうかが大切だ。1日も早くブースター接種を受けていただきたい」と述べました。
公明党の高橋光男氏は水際対策の緩和について「国内の感染を踏まえた慎重な対応が必要だが、申請開始から1週間ですでにおよそ20万人の受け付けがきている。このままでは大量の待機者を生みかねない。必要な拡充を早急に行い、上限の見直しを行うべきだ」と求めました。

これに対し、山際大臣は「今月14日から1日当たりの入国者数の上限を7000人に引き上げることはすでに発表しており、検疫体制の強化に向けた取り組みを進めているが、日本に入ってきたい方々の希望をかなえられるところまではまだ届いておらず、早急にそして丁寧にさらに入国者数が増える方向で取り組みたい」と述べました。
日本維新の会の東徹氏は感染拡大の動向について「1日当たりの新規感染者数がピークから半減ぐらいまできたが、なかなかそこから下がりきらない。ワクチンの3回目接種の遅れも要因の一つではないか」と指摘しました。

これに対し、山際大臣は「ピークを打ってから、減っていかない理由は、感染経路がどんどん変わってきたことと、重症化しやすい高齢者が感染し始めて、重症病床率を引き上げていることだと考えている」と述べました。
国民民主党の鈴木敦氏は重点措置の延長に伴う自治体への負担について「現場の職員は本当に大変な苦労をしている。もともとの配属から転属して保健所に行っている方々は、メンタルヘルス的に大変だという声を聞く。国が何らかの措置を講じるべきだ」と指摘しました。

これに対し、山際大臣は「本当に大変な現場だと承知している。難しい状況にあり、メンタルがきつい状況にあるということは承知しており、どのようにしてサポートできるか、しっかり考えながら進めたい」と述べました。
共産党の宮本徹氏は「オミクロン株の一種『BA. 2』への置き換わりが進む可能性があることから、政府の分科会の尾身会長は感染再拡大の可能性も指摘している。再拡大も視野に入れた対策が必要だ」と指摘しました。

これに対し、山際大臣は「感染再拡大の可能性、危険性はきちんと踏まえておかなければならない。重点措置の2週間の延長の期間で講ずべき対策をしっかりと実行できるかを見極めながら、病床に対するひっ迫の度合いを確認していくしかない」と述べました。