10年前の窃盗事件で誤認逮捕 大阪府警が認め男性に謝罪

10年前、大阪 泉大津市で現金を盗んだとして起訴され裁判で無罪が確定した男性に対し、大阪府警は4日、別の人物が事件に関わった疑いがあることがわかったとして誤認逮捕だったことをようやく認め、謝罪しました。
警察は「適正な捜査の指導を徹底します」とコメントしています。

平成24年、大阪 泉大津市のコンビニエンスストアで、近くの当時21歳の男性が現金1万円を奪ったとして大阪府警に逮捕され、窃盗の罪で起訴されましたが、裁判所は無罪を言い渡し、確定しています。

大阪府警は4日、その後の捜査で別の人物が事件に関わった疑いがあることがわかったとして、男性については誤認逮捕だったことをようやく認め、公表しました。

男性は当時およそ10か月間にわたって勾留されたということで、4日、大阪府警本部で経緯を説明し、初めて謝罪しました。
この事件は、3年前にすでに時効が成立しています。

大阪府警は当時の捜査について、現場から複数の指紋を採取したものの、すべてを精査せず一部を重視したことが問題だったとしています。

大阪府警察本部刑事総務課の熱田好司課長は「今回のようなことが二度とないよう緻密かつ適正な捜査の指導を徹底します」とコメントしています。

誤認逮捕された男性「10年間、長かった」

誤認逮捕された大阪 泉大津市の土井佑輔さん(31)がNHKの取材に応じました。

土井さんは誤って逮捕された後、一貫して無実を訴えましたが、そのまま起訴され、およそ300日にわたって身柄を勾留されました。

土井さんによりますと、4日午前、大阪 中央区の大阪府警察本部で、大阪府警や大阪地検岸和田支部の幹部から誤認逮捕を認める説明を受け、初めて謝罪されたということです。

土井さんは「真犯人が見つかったと連絡を受けた時は開放感と喜びで、涙が止まりませんでした。裁判での無罪から真っ白な無実に変わって、世の中に胸を張って事件と無関係と言えます。10年間、長かった。長いトンネルを抜けた感じです」と話しました。

音楽活動をしていて、当時はメジャーデビュー直前でしたが、その夢を絶たれたといいます。

4日の謝罪については「偉い人が出てきて形式的に謝罪されただけに感じました。取り調べをした警察官や起訴した検事が直接謝罪するべきで、そうでなければ謝罪とは言えないと思います」と述べました。

そのうえで「国家権力の強さ、責任の大きさを自分たちに問いただしてほしいです」と再発防止を訴えました。

大阪地検「証拠の分析・精査が不足していた」

大阪地方検察庁の上野正晴 刑事部長は、男性にはすでに謝罪したとしたうえで「所要の捜査を行って起訴したものであるが、証拠の分析・精査が不足していたと言わざるをえない。改めて基本に忠実な捜査・公判活動を徹底してまいりたい」とコメントしています。