新型コロナ 全国で減少傾向も「まん延防止」解除地域では増加

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、全国では緩やかな減少傾向が続いています。一方で、まん延防止等重点措置が解除される地域や、これまでに解除された地域で再び増加する傾向がみられています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国では3週連続で緩やかに減少

全国では、先月3日までの1週間では前の週に比べて1.42倍、先月10日は1.11倍と増加傾向でしたが、
▽先月17日は0.88倍、
▽先月24日は0.88倍、
▽今月3日まででは0.92倍と3週連続で緩やかに減少しています。

一日当たりの新規感染者数はおよそ6万5837人と依然として多い状態が続いています。

重点措置延長の地域

今月21日まで重点措置が延長される18の都道府県のうち、東京都を中心とする1都3県や関西の2府1県、愛知県などでは引き続き感染者数が多い中、緩やかな減少傾向が続いています。

東京都は
▽先月17日までの1週間は前の週の0.84倍、
▽先月24日は0.84倍、
▽今月3日まででは0.91倍と3週連続で緩やかな減少となっています。

一日当たりの新規感染者数はおよそ1万1342人となっていて、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は565.20人と、大阪府に次いで多くなっています。

神奈川県は
▽先月17日までの1週間は前の週の0.90倍、
▽先月24日は0.93倍、
▽今月3日まででは0.91倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ6295人となっています。

埼玉県は
▽先月17日までの1週間は前の週の0.88倍、
▽先月24日は1.01倍、
▽今月3日まででは0.84倍となっていて、一日当たりの新規感染者数は4333人となっています。

千葉県は
▽先月17日までの1週間は前の週の0.88倍、
▽先月24日も0.88倍、
▽今月3日まででは0.89倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ3590人となっています。

大阪府は
▽先月17日までの1週間は前の週の0.90倍、
▽先月24日は0.80倍、
▽今月3日まででは0.86倍と3週連続で緩やかに減少し、一日当たりの新規感染者数はおよそ8029人となっています。

直近1週間の人口10万当たりの感染者数は全国で最も多い635.98人となっています。

京都府は
▽先月17日までの1週間は前の週の0.79倍、
▽先月24日は0.87倍、
▽今月3日まででは0.82倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ1486人となっています。

兵庫県は
▽先月17日までの1週間は前の週の0.81倍、
▽先月24日は0.89倍、
▽今月3日まででは0.85倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ3442人となっています。

愛知県は
▽先月17日までの1週間は前の週の1.04倍、
▽先月24日は0.87倍、
▽今月3日まででは0.89倍となっていて、一日当たりの新規感染者数は4519人となっています。

岐阜県は
▽先月17日までの1週間は前の週の1.08倍、
▽先月24日は0.80倍、
▽今月3日まででは0.92倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ684人となっています。

北海道は
▽先月17日までの1週間は前の週の0.85倍、
▽先月24日は0.81倍、
▽今月3日まででは0.86倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ2069人となっています。

また、
▽青森県は今月3日までの1週間では前の週の1.05倍、
▽茨城県は0.99倍、
▽栃木県は1.03倍、
▽群馬県は1.01倍、
▽石川県は1.09倍、
▽静岡県は1.00倍、
▽香川県は1.02倍、
▽熊本県は0.96倍となっています。

重点措置が解除される地域で増加傾向も

今月6日で重点措置が解除される13県のうち、広島県や福岡県などでは緩やかな減少が続く一方、すでに増加傾向となっている地域もあります。

広島県は
▽先月17日までの1週間は前の週の0.83倍、
▽先月24日も0.83倍、
▽今月3日まででは0.96倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ689人となっています。

福岡県は
▽先月17日までの1週間は前の週の0.86倍、
▽先月24日も0.79倍、
▽今月3日まででは0.94倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ2966人となっています。

また、
▽福島県はきのうまでの1週間では前の週の1.05倍、
▽新潟県は0.86倍、
▽長野県は0.87倍、
▽三重県は0.97倍、
▽和歌山県は0.82倍、
▽岡山県は1.03倍、
▽高知県は1.08倍、
▽佐賀県は1.02倍、
▽長崎県は1.12倍、
▽宮崎県は1.12倍、
▽鹿児島県は1.06倍となっています。

解除された地域ではすでに増加傾向が

これまでに重点措置が解除された地域では、すでに再び増加する傾向がみられています。

沖縄県は
▽先月17日までの1週間は前の週の0.91倍、
▽先月24日も1.02倍、
▽今月3日まででは1.41倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ801人となっています。

また、
▽山形県は今月3日までの1週間では前の週の0.99倍、
▽島根県は1.27倍、
▽山口県は1.01倍、
▽大分県は1.14倍となっています。

専門家「減少スピードの遅さは3回目接種率の低さが原因か」

感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は、現在の感染状況について「全体的には感染者が減少しているが、減少スピードは遅い。欧米では急速に感染が減ったが、日本は3回目の追加接種の接種率が低いことが減少が緩やかな原因として挙げられると思う。沖縄などでは、まん延防止等重点措置が解除されたあとに感染者数が増えている。病床のひっ迫がみられる地域ではぎりぎりのところで医療を動かしているので、また感染が増えてしまうと、医療が崩壊する可能性が出てくる。病床がひっ迫している地域では重点措置を延長して感染者がもう少し減るのを待つ必要がある」と話しています。

そのうえで「オミクロン株の場合は、3回目のワクチンを打つことによって感染予防ができるし、重症化も予防できるので、打てる環境であればぜひ接種を進めてもらいたい。それに、新型コロナは年度末や年度初めで行事が多いと拡大しやすい。2年以上我慢が続いているが、日本の場合、まだ第6波が続いていることを意識して、できるだけ行事を控え、行う場合も慎重に動いてもらいたい」と話しています。