ロシア侵攻から原発守る バリケードで市民が抵抗 ウクライナ

ウクライナ南東部にある国内最大規模の原子力発電所では、ロシア軍の侵攻を防ごうと、市民や原発の職員が、トラックを並べたり土のうを積んだりしてバリケードを築いており、ウクライナ内務省の高官は、ロシア軍に侵攻を思いとどまるよう訴えています。

ウクライナ南東部にある国内最大規模のザポリージャ原子力発電所には、国内にある15の原子炉のうち6つが設置されていて、ロシア軍の侵攻を防ごうと、多くの市民や原発の職員が周辺に集まっています。

地元のエネルホダル市の市長が2日、SNSに投稿した動画には、原発につながる道路にたくさんの人が集まり、トラックを並べたり土のうを積んだりしてバリケードを築き、侵攻に備える様子が映っています。

これについて、ウクライナ内務省の高官は、SNSにメッセージを投稿し「侵攻があれば、チェルノブイリや福島のような事故が起きるかもしれない」として、侵攻にともなう攻撃で原子力発電所が損傷する可能性を指摘し、ロシア軍に侵攻を思いとどまるよう訴えています。

また、IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は2日、声明で「原発の安全を脅かすいかなる軍事行動も避けるべきだ」とロシアをけん制しており、原子力発電所を守るウクライナの人たちの懸命の抵抗が続いています。