「世界中で戦争反対の声上げることが大きな抑制力」緊急シンポ

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に対し、どのような対応が求められるのか、核廃絶に取り組む人たちや国際法の専門家と考える緊急シンポジウムが開かれ「戦争反対の声を世界中で上げることが、大きな抑制力となる」といった意見が出されました。

シンポジウムは、明治学院大学の国際平和研究所などがオンラインで開きました。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻では、市民の犠牲が増え続けている一方、プーチン大統領は、核戦力を念頭に抑止力を特別警戒態勢に引き上げるよう命じています。

シンポジウムでは、ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンの川崎哲国際運営委員が「ロシアが核兵器を使わない保証はどこにもない。軍事力で止めることができない状況で、今できる現実的な選択肢は、戦争反対の声を世界中で上げることであり、ロシアの正当性を否定する大きな抑制力となるはずだ」と訴えました。

そして、日本国内でも、アメリカの核兵器を同盟国で共有する「核共有」の議論を求める声が出ていることについて「核兵器があることで攻撃対象にもなりえるし、東アジア全体の軍拡にもつながりかねず、危険でナンセンスだ」と危機感を示しました。

また、国際人権法が専門の明治学院大学の阿部浩己教授は「ウクライナは、国際的に認められた自衛権に基づいて戦っているが、ロシアが主張する自衛権は正当化できず、ウクライナに対する侵略だ。声を上げていかないと、国際法上許されることと、許されないことの境界が、不明確になってしまう」と指摘していました。