オミクロンで呼吸困難の「上気道狭さく」 学会が注意呼びかけ

新型コロナウイルスのオミクロン株に感染した患者で、のどの奥が腫れて呼吸困難になるなどの症状が、複数、報告されていることが分かり、耳鼻咽喉科の学会は、会員の医師などに緊急で注意の呼びかけを行いました。

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会によりますと、オミクロン株の感染拡大に伴い、感染者で、のどの奥が腫れて気道がふさがり、呼吸困難になる「上気道狭さく」という症状が、複数、報告されていて、のどの切開手術が必要となったケースもあったということです。

どの程度の頻度で起きるのかなどは分かっていませんが、血液中の酸素飽和度には、直前まで異常がでないことから、軽症と判断されて発見が遅れるおそれがあるということです。

このため学会では、会員の医師などに対し、オミクロン株では「上気道狭さく」のリスクがあることや、地域の医療機関が連携して治療にあたることなど緊急の呼びかけを行いました。

学会で新型コロナの対策チームの責任者を務める木村百合香医師によりますと、多くの感染者は、こうした症状にはならずに治ると考えられるものの、つばを飲み込めないような強いのどの痛みがあるときや、息を吸うのが苦しいとき、声がこもったようになっているときなどは、早急に医療機関を受診してほしいということです。

木村医師は「オミクロン株が出てくるまでは、こうした症状が増えたという報告はなく、危機感を持って対応している。発生の頻度について今後、調査していきたい」と話しています。