東京大空襲77年 資料展始まる ウクライナ侵攻受けて訪れた人も

今月10日で東京大空襲から77年となるのを前に、東京 池袋で当時の資料や空襲で犠牲になった人の遺品などを集めた展示会が始まりました。ロシアによるウクライナへの侵攻を受けて訪れた人たちもいて、今も爆撃などのただ中にある現地の人たちに思いを巡らせていました。

昭和20年3月10日未明、アメリカの爆撃機による東京大空襲では、下町を中心に壊滅的な被害が出ておよそ10万人が死亡したほか、この前後にも空襲が続き、広い範囲で大きな被害が出ました。

こうした東京での空襲について都が主催する資料展が3日から池袋の「東京芸術劇場」で始まりました。

会場には焼い弾の筒や、犠牲になった人のめがねや食器などの遺品などに加え、空襲が本格化し始める昭和19年に女学生が記した日記なども展示されています。

会場にはロシアのウクライナへの侵攻を受けて資料展を訪れた若い世代の人たちもいて、展示を見つめながら今も爆撃などの被害をうけるウクライナの人たちに思いを巡らせていました。

会場を訪れた80歳の男性は、「私も空襲の際に母親の背中におぶわれていました。一般の市民が犠牲になるのは日本もそうでしたが今のウクライナでも同じで、一日も早く停戦するべきで、絶対に繰り返してほしくありません」と話していました。

ウクライナへの侵攻を受けて訪れたという23歳の女性は「まさかこの時代に戦争が起きるとは思ってもいなかったのでひと事ではない感じがして、平和とは何なのかと考えます。前に進んでいくには過去のことを知らないといけないと思うので、こうした展示から歴史を実際にあったこととして学んで心に刻むことは大事だと思います。ウクライナについてもSNSで発信するなど、早く事態が改善するように自分でもできることを探して取り組んでいきたいです」と話していました。

幼なじみと一緒に訪れた大学1年の女子学生は「今まで戦争は資料集や教科書の中のことでしたが、ウクライナで小さな子どもが泣き叫んでシェルターにいる様子を見ると、私たちが子どもたちにこうした思いをさせないために勉強しないといけないと感じます。過去から学ぶ姿勢は多くの人が持つべきで、まずは自分から始めようと思いました」と話していました。

「東京空襲資料展」は池袋の会場に加え、4日以降、国分寺市と武蔵野市でも始まります。