東京の感染状況 専門家 “都内 1日1万人規模感染 長期化懸念”

東京都のモニタリング会議で専門家は、都内では1日1万人規模の新型コロナウイルスの新規陽性者が確認される、危機的な感染状況のさらなる長期化が懸念されることに加え、救急患者の入院受け入れが極めて困難な危機的状況が続いているとして警戒感を示しました。

3日の会議で専門家は、都内の感染状況と医療提供体制の警戒レベルを、いずれも4段階のうち最も深刻なレベルで維持しました。

このうち感染状況については「大規模な感染拡大が継続している」と分析しました。

新規陽性者の7日間平均は、2日時点で1万690人と、前の週の82%に減少しました。

専門家は先月8日の1万8025人をピークに減少傾向にある一方で、依然として極めて高い値でとどまり「1万人規模の新規陽性者が発生する危機的な状況のさらなる長期化が懸念される」と指摘しました。

そして「歓送迎会や卒業パーティーなど年度末前後のイベントによる人の移動の増加や、オミクロン株の一種の『BA.2』と呼ばれる系統のウイルスの影響で増加比が上昇すれば、感染が再拡大するおそれがある」としています。

さらに、新規陽性者のなかで10歳未満の割合が最も高く、保育園や幼稚園の休園で欠勤せざるをえない保護者が増え、社会機能の低下が危惧されると警戒感を示しました。

一方、医療提供体制について、専門家は「ひっ迫している」と分析しました。

専門家は冬は脳卒中や心筋梗塞などの救急患者が多く、一般病床の満床が続いているうえ、医療従事者が感染したり濃厚接触者になったりして人手不足が常態化し、救急患者の受け入れが極めて困難な危機的状況が続いていると指摘しました。

2日時点で入院患者は3808人、重症の患者は68人と、いずれも前の週からは減少しましたが、患者に占める高齢者の割合が高い値で推移していると説明し「この状況が長期化すれば医療提供体制がさらにひっ迫する」と警戒感を示しました。

都内 ワクチン接種率 3月末に18歳以上で50%程度の見通し

東京都のモニタリング会議で、新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種について、現在のペースを基準に接種が進むと、今月末には都内の18歳以上の接種率が50%程度になるという見通しが報告されました。

東京都によりますと、3回目の追加接種の接種率は、1日時点で65歳以上の高齢者で58.3%、18歳以上で25.3%となっています。

3日都庁で開かれたモニタリング会議で、都の担当者は現在のペースを基準に、大規模接種会場の増加なども考慮して推計を行った今後の都内の接種率の見通しを報告しました。

それによりますと、今月末の接種率が65歳以上で1か月間で20ポイント以上増えて80%を超え、18歳以上でも50%程度と2倍近くになる見通しです。

専門家は「海外でも3回目の接種率が上がるにつれて、新規陽性者数や重症患者の減少などの効果が見られていて、追加接種を進めることが大変重要だ。都民の皆さんには自身のためにも、積極的なワクチン接種を検討してもらいたい」と呼びかけています。

感染力高い「BA.2」8割余が市中感染

オミクロン株の一種で「BA.2」と呼ばれる系統のウイルスは、現在、広がっているウイルスよりも感染力がさらに高いと指摘されています。

都が去年12月と、ことし1月に新型コロナウイルスの感染が確認された人を対象にゲノム解析を行ったところ、これまで30人がこのウイルスに感染していることがわかっています。

3日のモニタリング会議で、専門家から最新の解析結果が報告され、新たに4人の感染が確認され、合わせて34人になったということです。

このうち、8割余りにあたる29人は海外への渡航歴がなく、渡航歴がある人との接触も見つかっておらず、市中感染とみられるということです。

このほか、都が2月に「BA.2」系統のウイルスを見つけるためのPCR検査を489人に対して行ったところ、7人がこのウイルスに感染した疑いがあることがわかったということです。

このうち、
▽2月21日までの1週間では、検査した人の4.2%にあたる4人
▽2先月28日までの1週間では、2.2%にあたる2人に、感染の疑いがあると確認されたということです。

専門家は「これまでのアルファ株やデルタ株では、10%を超えたあたりから増加する傾向が見られた。BA.2についても推移を注視していくことが必要だ」と話しています。

小池知事 “まん延防止延長に理解を”

東京都の小池知事は、モニタリング会議のあと記者団の取材に応じ、まん延防止等重点措置の延長を政府に要請したことについて「あす予定されている政府の決定などを踏まえて、延長に向けた手続きを進めることになる。現在の厳しい感染状況などを鑑みて、皆さんの引き続きの御理解をたまわりたい」と述べました。

また、政府に対し、重点措置を解除する場合の具体的な基準を明確にするよう求めていることについて、どのような基準が考えられるのか問われたのに対し「ワクチンの接種を加速していくことによって、ICUの病床使用率が減っていったという海外の事例などもある。接種率がこれぐらいならば解除できるといった意見は、これまで国から聞いたことはないが、こういった数字も解除の目安になっていくのではないか」と述べました。