北京パラ ウクライナ選手がIPCの決定を厳しく非難

IPC=国際パラリンピック委員会が、ロシアとベラルーシの選手に中立的な立場の個人として、北京パラリンピックへの出場を認めたことについて、ウクライナの選手たちが「新たな衝撃をもたらした」などとする声明を発表するなど、決定への非難や抗議が各国から相次いでいます。

“決定はさらなる衝撃をもたらした”

IPCは2日の理事会でウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアと、その同盟関係にあるベラルーシの選手について、4日開幕する北京パラリンピックに中立的な立場の個人として出場を認めることを決めました。

この決定に対しウクライナの選手たちは、スポーツ選手の権利向上を目指す国際的なアスリート団体の「グローバル・アスリート」と共同で声明を発表しました。

声明では「ロシアとベラルーシの参加を認める決定は、ウクライナの人たちにさらなる衝撃をもたらした。有意義な決定がなされるために、あとどれほどの命が失われなければならないのか。IPCは暴力を止めることはできないが、ロシアとベラルーシの行動に最も厳しい制裁と、完全な孤立というメッセージを送ることができたはずだ」と決定を厳しく非難しました。
また、ノルウェーのパラリンピック委員会は3日「ロシアはベラルーシのサポートを受けてIPCの加盟国を侵略し、国際法に違反している」として、ロシアとベラルーシのパラリンピック委員会を、大会から除外するよう求める書簡をIPCに送ったと発表しました。

さらに、アメリカのオリンピック・パラリンピック委員会は2日「選手が出場する権利を守りたいというIPCの思いには共感するが、オリンピック休戦だけでなく、無意味な戦争による犠牲者たちも無視した、ロシアの行為を容認するもので失望した」とする声明を出しました。

このほか、イギリスやドイツのパラリンピック委員会も、決定への失望や遺憾を示す声明を発表するなど、各国からIPCの決定に反対する声が相次いでいます。