国際

OPECとロシアなどの産油国 来月生産量 従来どおりの小幅増産に

ロシアを含む主な産油国は来月の生産量について、従来どおりの小幅な増産とすることを決めました。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて原油の先物価格は高騰していますが、追加の増産は今回も見送りました。
サウジアラビアが主導するOPEC=石油輸出国機構とロシアなどの主な産油国は2日にオンラインで会合を開き、来月の原油の生産量を協議しました。

その結果、毎月、日量で40万バレルずつ生産を増やすというこれまでの計画を来月も続けることを決めました。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて原油の先物価格は高騰していて消費国からは大幅な増産を求める声が出ていますが、追加の増産は今回も見送りました。

会合後に出された声明では「原油価格の変動幅が大きくなっているのは地政学的な要因によるもので、原油の需給のバランスが崩れたためではない」などとしています。

アメリカやヨーロッパ各国などがロシアの一部の金融機関を国際的な決済ネットワークから締め出す厳しい経済制裁を決めたことで、市場ではロシアからの原油の供給が滞る懸念が強まっています。

1日にはIEA=国際エネルギー機関の加盟国が協調して6000万バレルの石油備蓄を放出することで合意しましたが原油価格の上昇に歯止めはかかっておらず、価格の高止まりが当面続く可能性が出ています。

中東・湾岸の産油国 ロシアに配慮も

中東・湾岸の産油国は、ウクライナへの侵攻でロシアが国際的な孤立を深める中でもロシアと協調減産の枠組みで協力を続ける姿勢を示し、配慮を見せています。

湾岸の産油国などが加盟するOPECはロシアなどとの間で「OPECプラス」と呼ばれる枠組みを設けていて、生産量を調整することで原油価格を支えるなど世界の原油市場で影響力を保っています。

ロシアへの非難が集まる中でも湾岸の産油国では直接的な非難を避ける動きが目立っていて、このうちUAE=アラブ首長国連邦は先月25日、ロシアにウクライナからの即時撤退などを求める国連安全保障理事会の決議案の採決に中国やインドとともに棄権しました。

この判断についてガルガシュ外交顧問は「どちらかの側につくことはさらなる暴力しか生まない」とコメントし、中立の立場だと強調しています。

1日には事実上の指導者であるアブダビ首長国のムハンマド皇太子がロシアのプーチン大統領と電話会談し、OPECプラスにもとづく協力関係を確認したと国営通信は伝えています。

またOPECプラスをロシアとともに主導するサウジアラビアも、サルマン国王が1日に開いた閣議で、OPECプラスのもと原油市場の安定や均衡に取り組むことを確認したと国営通信が伝えています。

湾岸の産油国としては、ロシアとの間で引き続き協力関係を維持することで国際的な原油市場での影響力を維持するねらいがあるものとみられます。

NY原油市場 一時10年10か月ぶりの高値水準に

ニューヨーク原油市場ではロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて原油価格の値上がりが続いていて、2日の取り引きでは国際的な指標となるWTIの先物価格が一時1バレル=112ドル台半ばをつけました。

これは2011年5月以来、10年10か月ぶりの高値水準です。

背景には、ロシアを含む主な産油国が来月の生産量について従来どおりの小幅な増産を決め、追加の増産を見送ったことで、原油の供給不足への懸念が強まったことがあります。

またロシアに対する厳しい経済制裁や欧米の大手石油会社が相次いでロシア事業からの撤退を表明していることも影響しています。

市場関係者は「経済制裁によってロシアからの原油の供給が滞ることが現実味を増している」と話していて、インフレが世界経済の重荷となる中、エネルギー価格の高騰が物価上昇に拍車をかけることに懸念が高まっています。

最新の主要ニュース7本

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

特集

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

News Up

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

スペシャルコンテンツ

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

ソーシャルランキング

一覧

この2時間のツイートが多い記事です

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

アクセスランキング

一覧

この24時間に多く読まれている記事です

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。