“オミクロン株 致死率 季節性インフルより高い”専門家分析

新型コロナウイルスのオミクロン株に感染し、死亡したり肺炎になったりする人の割合は、季節性のインフルエンザより高いと考えられるとする分析を専門家らがまとめました。

オミクロン株は、感染した人がこれまでより桁違いに多い一方、重症者や亡くなる人の割合は低いことから、季節性インフルエンザと比較してリスクを評価すべきだという指摘が政府の分科会などで出されています。

これを受け、2日、開かれた厚生労働省の専門家会合では、メンバーの専門家らが季節性インフルエンザでは2018年から19年のシーズンの推計感染者数などをもとにした致死率は、0.01%から0.05%ほどだった一方、オミクロン株では先月21日時点で0.13%ほどと、季節性インフルエンザより高いと考えられるとする分析結果を示しました。

また、肺炎を発症する割合についても、データは限られているものの、オミクロン株の方が高いと示唆されるとしています。

この分析について新型コロナは無症状の人も含めて全数報告の数字をもとにしている一方、インフルエンザの感染者数は推計をもとにしていることや新型コロナは変異株の状況やワクチンの有効性などで致死率が変化するため、正確な評価は難しいとしています。

また、会合では、オミクロン株の感染拡大による保健所や医療の体制のひっ迫を受けて、メンバーの専門家から高齢者など重症化リスクのある人たちにより重点化させるべきだとする提案も出されました。

提案では、緊急の措置として、診断時に軽症でリスクの低い人については「低リスク確定例」として健康観察は症状が悪化した際に本人からの申し出を受けて保健所が行うほか、重症化する人を見逃さないために迅速に相談に対応できる体制をつくるべきだとしています。

オミクロン株のリスクの評価について、専門家会合の脇田隆字座長は「オミクロン株と季節性インフルエンザの違いをしっかりと認識する必要がある。今、新型コロナに対して行っている対策が仮になかった場合、社会に与えるインパクトはどれくらいあるのか分析するべきだ」と話しています。