航空機の代替燃料「SAF」国産化へ 16社が業界の垣根越え連携

二酸化炭素の排出を大きく減らせるとされる航空機の代替燃料「SAF」の国産化を目指して、航空会社やプラント建設会社など16社が業界の垣根を越えて連携していくことになりました。

航空大手の全日空と日本航空、プラント建設大手の日揮などは、2日に羽田空港で記者会見を開きました。
そして、航空機の代替燃料「SAF」の国産化を目指して新たな団体「ACT FOR SKY」の立ち上げを表明しました。

SAFは、植物や廃油などから作ったバイオ燃料で、従来の燃料と比べて二酸化炭素の排出量を80%程度減らせるとされています。
今は、すべて輸入に頼っていて、国内で十分な量を確保できるかが課題となっています。

このため新たな団体では、原料となる使用済みの食用油などの安定的な調達や、コストを抑えて製造する方法などについて研究していくということです。

会見の中で、日揮の佐藤雅之会長は「SAFは脱炭素の切り札だが、国産化の実現には幅広い産業の協力が必要だ」と述べました。

国内生産実現へ 課題は

航空分野の脱炭素に向けてSAFに注目が集まる一方、国内での生産を実現するうえでは、原料を安定して調達しコストを抑えられるかが課題となります。

今回、立ち上がった団体に参加する京都市の燃料メーカーは、全国の飲食店など、およそ2万5000か所から引き取った使用済みの食用油を原料にSAFの生産を目指しています。
2日も、社員が東京 新橋のすし店を訪れ、天ぷらなどの調理に使われた油を引き取っていました。

SAFの研究を行っている運輸総合研究所によりますと、使用済み食用油や家庭ごみなどの原料をすべて生産に利用できれば、国内での航空機燃料のほぼすべてをSAFに置き換えられると試算しています。
しかし、食用油の場合、すでにSAFの生産を本格的に始めている海外の企業などが高値で買い取るケースが増えているということです。
このため生産にかかる費用も課題となり、研究所によりますと、SAFの生産には従来の燃料の2倍から10倍のコストがかかるということで、メーカーが生産に踏み切るにはハードルが高いのが実情です。
運輸総合研究所の松坂真史研究員は「海外製のSAFは争奪戦になっていて、安定的な調達のためには国産化が求められるが、日本は欧米に比べて10年遅れている。国産化が進まなければ、物流などにも影響が出かねず、社会全体で取り組んでいくべき課題だ」と指摘していました。