「キューバ危機以来の脅威」ノーベル平和賞受賞者 連名で声明

ロシアのプーチン大統領が核戦力を念頭に抑止力を特別警戒態勢に引き上げるよう命じたことについて、2017年にノーベル平和賞を受賞した国際NGO、ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンと、去年、ノーベル平和賞を受賞したロシアの新聞の編集長、ドミトリー・ムラートフ氏は連名で共同声明を出し「ロシアが核兵器の脅威を段階的に拡大させていることによって、私たちはいま、キューバ危機以来となる危険なレベルの脅威にさらされている」として、特別警戒態勢の命令の取り消しや、ウクライナからの撤退を求めました。

声明では「核兵器の脅威が世界の平和と国際安全保障にかつてない脅威をもたらし、プーチン大統領の無謀な行動と発言によって、差し迫った危機が引き起こされていることをここに警告する」とロシアを強く非難しました。

そして「ロシアが核兵器の脅威を段階的に拡大させていることによって、私たちはいま、キューバ危機以来となる危険なレベルの脅威にさらされている。ロシアは緊急に事態を緩和するための措置を講じるべきだ」としたうえで、ロシアに対して、
▽核戦力の警戒レベルを引き上げる命令の取り消しや、
▽ウクライナからの撤退
▽今後一切ヨーロッパに核兵器を配備しないことを約束すること、
それに、
▽保有する核兵器を廃絶することを求めました。

声明では最後に「核兵器が存在するかぎり、核兵器が使われる脅威は決してなくならない。私たちは幾人かのリーダーに自分たちの運命を委ね、どうか世界が破壊されないように息を殺して見守り続けることは、もうできない。私たちは、この大量破壊兵器を廃絶しなければならず、すべての政府に一刻も早く核兵器禁止条約に加わることを求める。私たちは世界中の政府に戦争ではなく平和を、狂気ではなく確かな理性を求める。行動すべきは今だ。次の核の危機を私たちが生き延びることができる保証はない」と訴えました。