ロシア外相演説前に各国代表が退席 抗議示す 国連 人権理事会

スイスのジュネーブで開かれている国連の人権理事会で1日、ロシアのラブロフ外相のビデオ演説にあわせて、多くの国の代表が一斉に退席し、軍事侵攻に抗議の意思を示しました。

退席した各国の代表らはロビーでウクライナの大使を囲むように集まり、大使がウクライナの国旗を掲げながら「ロシアがウクライナにしたことは、国連そのものに対する攻撃だ。国連は憲章の原則を守るため、極めて厳しい立場を取らなければならない」と訴えました。

一方、ロシアのラブロフ外相はこのビデオ演説の中で、EU=ヨーロッパ連合が移動の自由を認めなかったことで対面での出席ができなかったと批判するとともにロシアの正当性を主張しました。

ブリンケン国務長官「ロシアはインフラも破壊」

アメリカのブリンケン国務長官は1日、スイスのジュネーブで開かれている国連の人権理事会でビデオ演説を行い「ロシアは学校や病院、住宅を攻撃し、飲み水やガス、電気を供給する重要インフラも破壊している。バスや救急車でさえ、砲撃されている」と述べ軍事施設を攻撃対象にしているというロシア側の主張は事実ではないと非難しました。

そのうえで「これは人権侵害であり、それを止めるためにこの人権理事会は創設された。いま、団結できなければ、いつ団結するのだ。ウクライナの人たちを始め、世界中の人たちがわれわれがともに立ち上がることを期待している。彼らを失望させてはならない」と述べ国際社会に結束を呼びかけました。