救急患者の搬送困難な事例 2か月半ぶり前週下回るも依然多く

救急患者の受け入れ先がすぐに決まらない「搬送が困難な事例」は1週間で5200件余りと、およそ2か月半ぶりに前の週を下回ったものの、依然として多い状態が続いています。

総務省消防庁は患者の搬送先が決まるまでに病院への照会が4回以上あったケースなどを「搬送が困難な事例」として、県庁所在地の消防本部など全国の52の消防機関の報告をもとに、毎週取りまとめています。

27日までの1週間では5204件で、過去最多となった前の週の6064件から860件少なくなりました。

前の週を下回るのは去年12月以来、およそ2か月半ぶりです。

地域別では、東京が2549件、大阪市が551件、横浜市が396件、千葉市が189件、さいたま市が167件、札幌市が158件などとなっています。

新型コロナウイルスの感染拡大前に当たるおととしの同じ時期に比べると、横浜市が6.6倍、さいたま市が5.1倍、東京が4.7倍、大阪市が4.3倍、札幌市が3.2倍、千葉市が2.4倍と各地で多い状態が続いています。

新型コロナウイルスの感染が疑われるケースは1614件で、前の週より減りましたが、全体の31%と引き続き高い水準となっています。

総務省消防庁は「減少はしたものの、全体の数字はコロナ前と比べて4倍以上と依然として多く予断を許さない状況は続いている。危機感を持って今後の状況を注視したい」と話しています。