特別支援学校 児童らの増加に伴い「教室不足」 全国で3740に

特別支援学校に通う児童や生徒の増加に伴い、間仕切りをするなどして一時的な対応を取っている教室は7000を超え、整備が必要だと報告された「教室不足」の数は全国で3740に上ることが国の調査でわかりました。

特別支援学校に通う子どもは、個々の特性にあった指導が受けられるなどといった理由から、この10年で2万人以上増え、今年度は14万6000人余りと過去最多となっていて、文部科学省は全国の特別支援学校を対象に去年10月時点の対応状況を調査しました。

その結果、教室を確保するため音楽室や図工室などを転用したり、1つの教室を分割したりしているケースが多かったほか、体育館や廊下に間仕切りをしているケースもあり、一時的な対応が取られている教室は全国で7125ありました。

このうち、授業に支障が生じていて整備が必要だと報告された教室は2860あり、一時的な対応が取られている教室以外にも将来的に整備が必要とされた880の教室と合わせると、「教室不足」の数は前回2019年度の調査から578増えて3740教室に上っています。

この影響で、教室内が過密になっているほか、体育館を使えず児童や生徒が体を思い切り動かせないといった支障も出ているということです。

教育環境の改善に向け、必要な校舎の面積などを定める「設置基準」が初めて特別支援学校にも策定され、来年4月から全面的に施行されますが、今回の調査では面積を満たしていない学校は校舎だと全体の3割、運動場だと4割余りあり、文部科学省は施設の改修にかかる費用の補助率を引き上げるなど、支援を強化しています。

文教大学 成田教授「教室不足はここ4、5年で急増 国は対応を」

特別支援教育に詳しい文教大学教育学部の成田奈緒子教授は、「きめ細かな目配りなどの点から特別支援教育のニーズは年々高まっていて、教室不足はここ4、5年で急増している。安全性の確保が難しい現場もあり、学校側の工夫では限界があるので、国は改善に向け対応を進めてもらいたい」と求めました。

そのうえで、「少子化で生じている小中学校や高校の空き教室を特別支援学校の分校として転用している例もある。一般的に特別支援学校より交通の便がよいことが多く、自力で通学も可能になり、将来の自立にもつながる。同じ場所、同じ空間で学ぶことは互いに理解し学び合うことにつながり、これからの特別支援教育の発展にも意味がある」と話していました。