林外相 “唯一の戦争被爆国として核兵器の不使用 強く訴える”

ウクライナ情勢をめぐり、ロシアのプーチン大統領が核戦力を念頭に抑止力を特別警戒態勢に引き上げるよう命じたことについて、林外務大臣は、参議院予算委員会で、情勢のさらなる不安定化につながりかねない危険な行動だと指摘し、唯一の戦争被爆国として、核兵器が万が一にも使用されることがないよう強く訴えていく考えを示しました。

林外務大臣は、ロシアのプーチン大統領が、核戦力を念頭に抑止力を特別警戒態勢に引き上げるよう命じたことについて「情勢のさらなる不安定化につながりかねない危険な行動だ。核兵器は、いったん使用されると広範囲で多大な惨禍をもたらす。唯一の戦争被爆国であり、核兵器の非人道性を知るわが国として、核兵器が万が一にも用いられるようなことはあってはならないと考えており、強く訴えていきたい」と述べました。

また、すべての国連加盟国が参加できる国連総会の緊急特別会合が始まったことについて、林大臣は「ロシアによるウクライナへの侵略を厳しく非難するという、わが国の基本的な立場に基づき、総会決議の成立に向けて積極的に各国と協力している。極めて限られた時間で、多数の国でやり取りが行われているところだ」と述べました。

そのうえで「わが国の国会でも、ウクライナ侵攻を非難する決議案が提出される予定だと承知しているが、各国議会によってロシアに対する強い姿勢が示されることには重要な意義がある」と述べました。

後藤厚生労働相 “ワクチンできるかぎり早く接種”

一方、後藤厚生労働大臣は、先月末までに終えるよう全国の自治体に通知していた、希望する高齢者施設の入所者などに対する新型コロナワクチンの3回目接種について「接種希望者の数を把握しておらず、希望する高齢者に対する接種が完了したかどうか答えることは、なかなか難しい。政府の目標は1日100万回接種を到達し、できるかぎり早く打っていくことだ」と述べました。

参議院予算委員会は1日の質疑に先立ち、有識者から意見を聴く公聴会を今月8日に開催することを全会一致で議決しました。