キリマンジャロの氷河 温暖化で2040年代に完全消滅のおそれ

地球温暖化の影響がアフリカで特に深刻化する中、アフリカ最高峰のキリマンジャロの頂上にある氷河が縮小していて、国連は、2040年代には完全に消滅するおそれがあるとして、気候変動対策の強化を訴えています。

キリマンジャロは、アフリカ東部のタンザニアにある、標高5895メートルのアフリカ大陸で最も高い山です。

赤道付近の熱帯地域にありながら、頂上付近には一年を通して氷河や雪があり、万年雪をたたえる美しい姿はアフリカを象徴する風景の1つとして世界中で知られています。

しかし、国連のWMO=世界気象機関が去年10月に発表した報告書によりますと、アフリカでは気温や海水面の上昇が世界全体の平均よりも早く進むなど地球温暖化の影響が特に深刻化しています。

こうした中で、インド洋の海面での水温の上昇の影響で雪の量が減るなどして、キリマンジャロを含む東部の3つの山間部にしか存在しないアフリカの氷河が縮小しています。

NHKの取材班は、2月末、キリマンジャロの頂上に登りましたが地元の登山ガイドは、ここ数年で氷河が縮小し、数十メートル後退しているという場所を指摘していました。

こうした状況について、WMOの報告書では、キリマンジャロなどアフリカの氷河はこの1世紀余りで、すでに80%以上縮小し、このままでは2040年代には完全に消滅するおそれがあるとして気候変動対策の強化を訴えています。

キリマンジャロ 万年雪をたたえアフリカ象徴する風景のひとつ

キリマンジャロはアフリカ東部のタンザニアの北東部にある休火山で、標高5895メートルとアフリカ大陸の最高峰で、「アフリカの屋根」とも呼ばれています。

キリマンジャロとは、地元の言葉で「白い山」を意味し赤道付近の熱帯地域にありながら、頂上付近には一年を通して氷河や雪があります。

万年雪をたたえる美しい姿はアフリカを象徴する風景のひとつとして世界中で知られ、ノーベル文学賞を受賞したアメリカの作家、ヘミングウェイの短編、「キリマンジャロの雪」の題材にもなっています。

周辺は国立公園に指定され、年間およそ5万人の観光客が訪れています。

山の頂上に至る登山ルートは主に6つあり、このうちマラングルートというルートでは、5日間かけて、熱帯のジャングルから、平原地帯、そして砂漠のような地帯を歩きながら進み、最後は、火口を目指して、急な斜面を数時間かけて登り、アフリカ大陸で最も高い地点を目指します。