トヨタ きょう国内全工場停止 取引先へのサイバー攻撃の可能性

トヨタ自動車は、主要な取引先の部品メーカーでシステム障害があったため、1日、国内のすべての工場の稼働を停止します。
会社では、サイバー攻撃を受けた可能性があるとみて原因を調査するとともに、早期の稼働再開を目指してシステムの復旧を急ぐことにしています。

トヨタ自動車は昨夜、主要な取引先のひとつで愛知県豊田市にある部品メーカー「小島プレス工業」でシステム障害が発生したため、子会社のダイハツ工業と日野自動車の工場を含め、14工場、28ラインで1日の稼働を停止すると発表しました。

トヨタの車を製造しているすべての工場が止まることになります。

この部品メーカーによりますと、2月26日の夜、サーバーのひとつがダウンしたという信号を検知し、安全のため、社内にあるすべてのサーバーの電源をオフにする措置をとったということです。

このためトヨタとの間で、納品する部品の数や時期といったデータをやりとりできなくなったということです。

トヨタは、このメーカーの部品を多くの車種で使っていることなどから、今後の生産に支障がでるおそれがあるとして、全工場の稼働停止を決めたとみられます。

会社によりますと、1日でおよそ1万3000台が生産できなくなるとしています。
トヨタは、この部品メーカーがサイバー攻撃を受けた可能性があるとみて原因を調査するとともに、早期の稼働再開を目指してシステムの復旧を急ぐことにしています。

稼働を停止する工場

稼働を停止するのは、トヨタ自動車の完成車の組み立てを行っている次の工場です。

トヨタ自動車の愛知県豊田市にある
▽元町工場、
▽高岡工場、
▽堤工場と
▽愛知県田原市にある田原工場。

▽福岡県宮若市にあるトヨタ自動車九州の宮田工場。

トヨタ自動車東日本の
▽宮城県大衡村にある宮城大衡工場と、
▽岩手県金ケ崎町にある岩手工場。

トヨタ車体の
▽愛知県刈谷市にある富士松工場と
▽豊田市にある吉原工場、
▽三重県いなべ市にあるいなべ工場。

トヨタ自動車のグループで
▽岐阜車体工業の岐阜県各務原市にある工場と
▽豊田自動織機の愛知県大府市にある工場。

さらに、トヨタから生産を受託している
▽ダイハツ工業の京都府大山崎町にある京都工場と、
▽日野自動車の東京・羽村市にある羽村工場のあわせて14の工場です。

また、日野自動車ではトラックなどを生産している茨城県古河市の古河工場も稼働を停止します。

「ランサムウェア」使われた疑い 警察当局が捜査へ

トヨタ自動車の取引先がサイバー攻撃を受けたとみられる問題で、攻撃に「ランサムウェア」と呼ばれる身代金要求型の悪質なプログラムが使われた疑いがあることが関係者への取材で分かりました。

警察当局は今後、詳しい被害状況を確認し捜査を進める方針です。

トヨタ自動車は1日、国内のすべての工場の稼働を停止することを明らかにし、関係者によりますと主要な取引先で車の部品を製造している愛知県豊田市の小島プレス工業がサイバー攻撃を受けたことが原因とみられています。

現在、会社などが詳しい状況を調べていますが、攻撃に「ランサムウェア」と呼ばれる身代金要求型のプログラムが使われた疑いがあることが関係者への取材で分かりました。

具体的な要求の内容などについては、現在、確認を進めているということです。

「ランサムウェア」はコンピューターが感染すると勝手にシステムをロックして使えなくしたり保存しているデータを暗号化したりして、復元と引き換えに金銭を要求する悪質なプログラムで、世界各国で被害が相次いでいます。

警察当局は攻撃を受けた詳しい状況を確認するとともに、関係機関と連携して捜査を進める方針です。

「ランサムウェア」 世界各国で被害相次ぐ

警察庁によりますと、サイバー攻撃の中でも最近は「ランサムウェア」と呼ばれる悪質なプログラムが使われるケースが増えています。

「ランサムウェア」はコンピューターが感染すると勝手にシステムをロックして使えなくしたり保存しているデータを暗号化したりして、復元と引き換えに金銭を要求する悪質なプログラムで、世界各国で被害が相次いでいます。

日本でも、去年1年間に少なくとも146件の被害が報告されているということです。

標的となるのは最先端の技術を持った企業や医療機関などで、特に製造業の会社が55件と全体の38%を占めました。

自動車業界でも、
▽おととしホンダが被害を受けたサイバー攻撃や
▽去年、部品メーカー、デンソーの海外の子会社が受けた攻撃で、
「ランサムウェア」が使われたとみられています。

警察当局は関係機関と連携して警戒を強めるとともに、企業などに対しセキュリティー対策をさらに強化するよう呼びかけています。

萩生田経産相“サイバーセキュリティー対策強化を”

トヨタ自動車の取引先の部品メーカーがサイバー攻撃を受けたとみられる問題をうけて、萩生田経済産業大臣は産業界に対して改めてサイバーセキュリティー対策の強化を求めました。

トヨタ自動車は主要な取引先の部品メーカーでシステム障害があったため、1日、国内のすべての工場の稼働を停止しています。

取引先ではサイバー攻撃を受けた可能性があるとみています。

これについて萩生田大臣は1日の閣議のあとの記者会見で「現在生産活動の復旧に向けて全力をあげていると聞いている。引き続き事実関係の把握に努めたい」と述べました。

その上で「昨今の情勢から、サイバー攻撃のリスクは高まっている。サイバー攻撃への被害は攻撃を直接受けた企業だけでなく、その取引先も含めてサプライチェーンに広く影響を及ぼす可能性がある」と述べ、産業界に対して改めてサイバーセキュリティー対策の強化を求めました。