トヨタ自動車のグループの日野自動車も、1日、国内の工場の稼働を停止することを明らかにしました。
稼働を停止するのは、国内4つの工場のうち東京都にある羽村工場と茨城県にある古河工場の2工場で、トヨタと同じく、取引先のシステム障害の影響を受けたため、としています。
2つの工場では、トラックのほか、トヨタ自動車から受託された車種を生産しています。
2日以降の稼働については、現時点では「未定」だとしています。

トヨタ きょう国内全工場の稼働停止へ 取引先へのサイバー攻撃
トヨタ自動車は3月1日、国内のすべての工場の稼働を停止することを明らかにしました。
関係者によりますと、主要な取引先がサイバー攻撃を受けたということで、部品の調達に支障が出るおそれがあるため、全工場の停止に踏み切ったものとみられます。
会社が原因を調査しています。
発表によりますと、トヨタ自動車は3月1日、国内のすべての工場にあたる14工場、28ラインの稼働を停止することを決めました。
トヨタの主要な取引先のひとつで、車の内装や外装に関連する部品を製造している愛知県豊田市の小島プレス工業で「システム障害の影響を受けたため」としていますが、関係者によりますと、サイバー攻撃を受けたということです。
この攻撃によって、部品の発注や受注に関するシステムに影響が広がっていて、トヨタとしては、部品の調達に支障が出るおそれがあるため、全工場の稼働停止に踏み切ったものとみられます。
会社が詳しい原因を調査しています。
またアメリカや中国、タイなど海外の工場に影響が広がるかどうかは、調査中だとしています。
会社が復旧の作業を急いでいますが、2日以降、稼働を再開できるかどうかはいまの時点では未定だということです。
トヨタ自動車は「お客様、および関連仕入先の方々にはさまざまなご不便をおかけすることをおわび申し上げます。
部品不足に対するあらゆる対策を図り、1日でも早く、多く、お客様のもとに車をお届けできるよう尽力します」とコメントしています。
日野自動車もあす2つの工場稼働停止へ
岸田首相「実態を確認させている状況」
岸田総理大臣は、28日夜、総理大臣官邸で記者団に対し「報道で承知している。政府としても実態を確認させている状況だ」と述べました。
また、記者団が、今回のサイバー攻撃がロシアなどと関係あるか質問したのに対し「ロシアとの関係などについても、しっかり確認した上でなければ答えることは難しい」と述べました。
さらに先週、閣議決定した経済安全保障の強化を図る新たな法案の重要性については「言うまでもなく、重要な法律だと認識している」と述べました。
また、記者団が、今回のサイバー攻撃がロシアなどと関係あるか質問したのに対し「ロシアとの関係などについても、しっかり確認した上でなければ答えることは難しい」と述べました。
さらに先週、閣議決定した経済安全保障の強化を図る新たな法案の重要性については「言うまでもなく、重要な法律だと認識している」と述べました。
専門家「サプライチェーン狙ったサイバー攻撃 衝撃的なケース」
サイバーセキュリティーに詳しいNTTデータの新井悠さんは「まだ不明なことが多く、推測になるが、部品の製造に関わるようなシステムが破壊されたり、データが暗号化されたりした可能性もある。単純なITシステムのトラブルとは異なり、サイバー攻撃の場合どこが攻撃の経路になったのかを特定するのは時間がかかるだろう。サプライチェーンを狙ったサイバー攻撃という衝撃的なケースだといえる」と話しています。
その上で、「今回のケースのようにひとつの企業のほころびが全体に影響を与えてしまうことがあり、サイバー攻撃とはどんな企業でも無関係ではいられない。おのおのの企業がプログラムの欠陥を修正するアップデートを常に行うなど、被害を防ぐための取り組みが求められている」としています。
また、緊迫化するウクライナ情勢との関連性については、「報復などの意図をもった攻撃の場合、通常は、なんらかのメッセージがあるが、現時点では、そのようなものが確認されたという情報はなく、直接の関係は低いのではないかと見られる」と話しています。
その上で、「今回のケースのようにひとつの企業のほころびが全体に影響を与えてしまうことがあり、サイバー攻撃とはどんな企業でも無関係ではいられない。おのおのの企業がプログラムの欠陥を修正するアップデートを常に行うなど、被害を防ぐための取り組みが求められている」としています。
また、緊迫化するウクライナ情勢との関連性については、「報復などの意図をもった攻撃の場合、通常は、なんらかのメッセージがあるが、現時点では、そのようなものが確認されたという情報はなく、直接の関係は低いのではないかと見られる」と話しています。
「小島プレス工業」 26日午後9時すぎに異常を検知
トヨタの工場停止の要因となったシステム障害が発生した愛知県豊田市に本社を置く「小島プレス工業」によりますと、26日午後9時すぎに、社内のサーバーの1つがダウンしたことを知らせる信号が出て、異常を検知したということです。
この事態を受けて会社では、安全のため27日の朝にかけてすべてのサーバーをオフにする措置をとり、トヨタにも報告したということです。
これらのサーバーの中にはトヨタなどの取引先と発注や納品のデータをやりとりする社内の基幹システムにつながっているものがあるため、製品の納入業務ができない状況になっているということです。
小島プレス工業では「単なる通信障害や不具合ではないと判断しているが、原因がサイバー攻撃なのか、ウイルスメールなどによるものなのか、突き止められていない。現時点で復旧のメドも立っていない」と話しています。
「小島プレス工業」は従業員がおよそ1700人で、主に自動車の内装部品などを手がけており、販売先はおよそ9割がトヨタ自動車だということです。
この事態を受けて会社では、安全のため27日の朝にかけてすべてのサーバーをオフにする措置をとり、トヨタにも報告したということです。
これらのサーバーの中にはトヨタなどの取引先と発注や納品のデータをやりとりする社内の基幹システムにつながっているものがあるため、製品の納入業務ができない状況になっているということです。
小島プレス工業では「単なる通信障害や不具合ではないと判断しているが、原因がサイバー攻撃なのか、ウイルスメールなどによるものなのか、突き止められていない。現時点で復旧のメドも立っていない」と話しています。
「小島プレス工業」は従業員がおよそ1700人で、主に自動車の内装部品などを手がけており、販売先はおよそ9割がトヨタ自動車だということです。