ウクライナ 家族が離れ離れに 男の子が涙ながらに語ったこと…

ロシアが軍事侵攻したウクライナでは防衛態勢を強化するため18歳から60歳の男性の出国が制限されていることから、女性や子どもたちだけで国外に避難し家族が離れ離れになるケースが相次いでいます。そうした状況に陥った家族が27日、ロイター通信の取材に応じました。

幼い男の子は父親を首都キエフに残したまま家族に連れられてポーランドに避難する途中で、涙ぐみながら「お父さんはキエフに残り僕たちの英雄、軍隊を助けると思う。お父さんは戦いさえするかもしれない」と話し、大好きな父親の身を案じていました。その様子に、かたわらの女性は黙って涙を流していました。

ユニセフ “子どもたちへの支援を”

ウクライナでは
▽これまでに死亡した352人のうち14人が子どもと伝えられているほか
▽国外に避難した36万人の中には母親に連れられて出国する子どもたちの姿が目立ちます。

ウクライナ西部のリビウで支援活動にあたるユニセフ=国連児童基金のエルダー広報官は28日、NHKのオンラインインタビューに応じ「ウクライナに残る父親が息子に別れを告げる姿や、小さな娘を抱き締める姿をたびたび目にしている。家族がバラバラになり母親と子どもだけでポーランドやルーマニアに逃れている」と指摘しました。

そのうえでエルダー広報官は「子どもたちは家族を失ったり学校に通えなくなったりしてストレスや心の傷を負っている。心理的サポートが急務だ」と述べ、ウクライナや避難先の周辺国で暮らす子どもたちへの支援を呼びかけました。