都庁舎 ウクライナ国旗の色にライトアップ 都知事“連携示す”

ウクライナへのロシアの軍事侵攻をめぐり、東京都の小池知事は記者団に対し「国際社会や民主主義への挑戦にほかならない」と非難したうえで、28日夜から都の庁舎をウクライナの国旗の青と黄色にライトアップして、ウクライナとの連携を示す考えを明らかにしました。

東京都の小池知事は28日午後、都庁で記者団の取材に応じ、ロシアによるウクライナの軍事侵攻について「ウクライナの主権と領土の一体性を著しく損なう国際法違反と考える。国際社会や民主主義への挑戦にほかならない」と非難しました。

そのうえで小池知事は、ウクライナとの連携を示すために、28日夜から3月6日まで、都の庁舎をウクライナの国旗の青色と黄色にライトアップする考えを示しました。

そして「いまウクライナの人に向けてメッセージを出すことは重要だ。皆さんには都庁の色を見ながら、そういう思いをしっかり持っていただきたい」と呼びかけました。

SNSなどでは “日本に住む私たちにできることは何?”

一方、SNSなどを中心に「日本に住む私たちにできることは何だろう」という声が上がっています。

こうした中、ウクライナからの避難民に対する人道支援を行う団体には、この数日間で多くの寄付が集まっています。

UNHCR=国連難民高等弁務官事務所は27日、ロシアによる軍事侵攻を受けて、ウクライナから国外に避難した人の数が36万8000人に上ると明らかにしました。

自然災害や紛争の被災者を支援する国際NGO「アドラ・ジャパン」によりますと、ウクライナの国境付近や周辺国に避難している人の多くは、急激に情勢が変化する中、十分な物資を持たずに避難しているということです。

こうした中、アドラ・ジャパンでは避難民に、水や食料、衣類や衛生用品などの生活必需品を支援したり、避難できるホームステイ先を調整したりするため、25日にインターネット上で募金の窓口を開設しました。

そして開設から4日目の28日、午後5時の時点で1万9000人以上から3500万円を超える寄付が集まっています。

アドラ・ジャパンの事業部マネージャー杉本亜季さんは「自分ができる募金というかたちで平和に貢献したいという人や、小額でも役立ててほしいという声が届いています。想定を上回る募金の額に驚きながらも感謝しています」と話しています。

また杉本さんは寄付するうえで、信頼できる団体を判断するために、
▽認定NPO法人を選ぶことや、
▽過去にも寄付活動をしている団体を選ぶこと、
▽複数のメディアで情報を確認すること、
などを勧めていました。

そのうえで、日本にいながらできる支援について、杉本さんは「寄付をしていただくのが、いちばん分かりやすい行動の起こし方だが、ニュースなどを通してウクライナの人に何が起きているか、関心を持ち続けることが大事だ。そして、知ったことを家族や友達、身近な人と話して長引く状況の中でも忘れないようにしてほしい。関心を持ち続けることが、次に何ができるか、みずから考えることにつながると思います」と話していました。

アドラ・ジャパンを通して数千円の寄付をしたという千葉県の40代の女性は「アドラ・ジャパンの知人が募金をSNSで呼びかけていたので、今回の寄付のことを知った。大変な思いをしている人の助けになりたいと思い、募金しました」と話していました。

静岡 富士宮ではウクライナの子どもたちの絵を

静岡県富士宮市では、ウクライナの子どもたちが平和への願いを込めて描いた絵を富士山ろくに掲げてSNSで発信する取り組みが行われています。

この取り組みは、富士宮市の市民団体「キッズ・ゲルニカ富士宮実行委員会」が始め、富士宮市の富士山ろくの広場に、布に描かれた5枚の絵を掲げました。

絵は、平和の絵を描くという国際的なプロジェクトに参加し、ウクライナの首都キエフや、ロシア軍の侵攻ルートに近い街にいた子どもたちが5年前に描きました。
1枚1枚の絵は、画家のピカソが無差別爆撃の残虐性を描いた「ゲルニカ」と同じ、縦3.5メートル、横7.8メートルの大きさだということで、笑顔の子どもたちや、虹や色とりどりの花などが描かれています。

5年前、ウクライナに行き、子どもたちが絵を描く様子を見守った実行委員会の渡邊実会長は「とても楽しそうに絵を描いていた、あの子どもたちが今、どのように過ごしているかを考えると胸が締めつけられる思いです。平和への願いを届けていきたいと思います」と話していました。

この展示は3月6日まで行い、そのもようをインスタグラムなどに投稿しています。