特別警戒態勢 “核兵器使用の危険性高まる” 長崎大センター長

ロシアのプーチン大統領が核戦力を念頭に、抑止力を特別警戒態勢に引き上げるよう命じたことについて、長崎大学核兵器廃絶研究センター=RECNAの吉田文彦センター長は「結果として核兵器が使われる危険性が高まっている」と懸念を示しました。

「RECNA」の吉田文彦センター長は28日NHKの取材に応じ、プーチン大統領が核戦力を念頭に、抑止力を特別警戒態勢に引き上げるよう命じたことについて「誤解や機械の故障などちょっとしたことで核使用の決断にいたるリスクを高めることになる。もともと使用するつもりがなくても結果として使われる危険性が高まっている」と指摘しました。

また、ロシアを含む国連安保理の常任理事国の5か国は1月共同声明を発表し、「核戦争に勝者はいない」として外交的なアプローチを追求する姿勢を示しています。

これについて、「宣言に対して非常に背信的行為で、言行不一致だと思う。ロシアには声明を守り、リスクを低めていく行動をとってほしいし、アメリカも含めた西側諸国も声明を思い起こして冷静に対応してほしい」と述べました。

そのうえで、被爆地・長崎が担う役割について「被爆地がどういうメッセージを出すかが世界に大きな影響を与えることは間違いない。発信し続けることはウクライナにとっても世界中の人にとっても非常に大事だ」と述べ、平和を訴え続ける必要性を強調しました。