特別警戒態勢に日本被団協 “核兵器 絶対に使ってはいけない”

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く中、プーチン大統領は国防相などに対して、核戦力を念頭に、抑止力を特別警戒態勢に引き上げるよう命じました。これについて、日本被団協の代表委員の田中重光さんは「絶対に核兵器を使ってはいけない。それは私たちが被爆から77年間、訴え続けてきたことだ」と述べました。

ロシアのプーチン大統領は27日、ショイグ国防相などとの会議のなかで「NATO=北大西洋条約機構の主要な加盟国がロシアに対して攻撃的な発言をしている」と述べました。

そして、核戦力を念頭に、抑止力を特別警戒態勢に引き上げるよう命じました。

欧米各国はSWIFTと呼ばれる国際的な決済ネットワークから、ロシアの特定の銀行を締め出す厳しい経済制裁に踏み切ることで合意していて、プーチン大統領は、ロシアが核保有国であることを改めて強調することで、欧米を威嚇するねらいもあるとみられます。

これについて、日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会の代表委員の田中重光さんは「絶対に核兵器を使ってはいけない。それは、私たちが被爆から77年間、訴え続けてきたことだ」と述べました。

そのうえで「核兵器がもたらすのは破滅の結果だけで、使ってしまえば爆心地は放射線で汚染され救援もできない。それを私たちは身をもって経験し、核廃絶を訴えてきた」と話していました。