米 ウクライナに最大3.5億ドルの軍事支援 対戦車ミサイルなど

アメリカのブリンケン国務長官は26日に声明を出し、ウクライナに対して最大3億5000万ドル、日本円にしておよそ400億円の追加の軍事支援を行うと発表しました。

声明では、ウクライナ軍がロシア側の装甲車両や軍用機などの脅威に対応するため殺傷力のある防衛兵器を供与するとしていて、アメリカ国防総省の高官は記者団に対し、供与される兵器には対戦車ミサイル「ジャベリン」も含まれることを明らかにしました。

「ジャベリン」は戦車などの装甲を貫通する強力なミサイルを標的に向けて自動で誘導する精密兵器で、アメリカ政府はウクライナの防衛力を強化するためだとして、これまでも供与してきました。

ウクライナ軍は「ジャベリン」で破壊したとするロシア軍の戦車の写真をSNS上に公開していて、アメリカに対して追加の供与を求めてきました。

声明の中でブリンケン長官は「アメリカはウクライナの人たちとともにあるという明確なシグナルだ」と強調しています。

ドイツも地対空ミサイル供与 慎重姿勢を転換

ヨーロッパ各国もウクライナに対する軍事支援を相次いで発表しました。

ドイツは政府報道官が26日、声明を発表し、1000の対戦車兵器と携帯型の地対空ミサイル「スティンガー」500基をできるだけ早期にウクライナに供与すると発表しました。

ショルツ首相はツイッターで「プーチン大統領の侵略軍に対する防衛で、ウクライナを力の限り支援することがわれわれの義務だ」と述べました。

ドイツは紛争地域などへの武器の供与には慎重な立場をとり、ウクライナに対してもこれまで殺傷力のある兵器の供与は行わないとして軍用ヘルメットの供与などにとどめていましたが、ロシアによる軍事侵攻を受けて方針を転換した形です。

オランダ政府もウクライナからの要請を受けて26日、「スティンガー」200基を供与すると発表しました。