ウクライナ 首都キエフのアパートに攻撃 40の民間施設が被害

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって3日目となる26日、ウクライナの保健相はロシア軍による攻撃で198人が死亡したと発表しました。首都キエフでは爆発音や銃声が伝えられているほか、中心部にある高層アパートが攻撃をうけるなど、ロシア軍はキエフの掌握に向けて本格的な軍事作戦を進めているとみられます。

ウクライナ内務省などによりますと、26日朝(日本時間26日午後)キエフ中心部にある高層アパートに攻撃があり、メディアによりますと、けが人が出ているということです。

メディアが公開した映像ではアパートの上部が攻撃された直後、オレンジ色の閃光と黒い煙が上がっている様子がうかがえます。
ウクライナのクレバ外相はロシアの地上部隊からミサイル攻撃を受けたと強調し「私は世界に要求する。ロシアを完全に孤立させ、大使を追放し、石油を禁輸し、経済を破たんさせることだ。ロシアの戦争犯罪者を阻止してくれ」と国際社会に強く訴えました。

子ども3人含む198人死亡か

ウクライナのリャシュコ保健相は26日、ロシア軍によるこれまでの攻撃で、子ども3人を含む198人が死亡したと発表しました。

一方でロシア国防省の報道官は高層アパートへの攻撃が起きたあと声明を発表し「住宅や社会インフラは標的にしていない」として、攻撃の対象はあくまでも軍事施設だと主張しています。

ただキエフ中心部でも軍用機の来襲などを知らせるサイレンがたびたび鳴っているほか爆発音や銃声も伝えられるなど、ロシア軍はキエフの掌握に向けて本格的な軍事作戦を進めているとみられます。

攻撃 軍施設以外の場所でも

NHKが取材した日本で暮らすウクライナ人の女性のもとには、現地の知人から現状を伝える動画が次々に寄せられていて、ウクライナ軍の施設以外の場所にもロシア軍によるものとみられる攻撃が続いていることが確認できます。

ウクライナ東部のスムイで撮影された動画では、銃声が鳴り響く中、教会やマンションのすぐそばで火災が起きている様子が確認できます。

同じ東部のハリコフで25日、ドライブレコーダーに記録された映像では、一般の道路をめがけて複数の攻撃が行われ、大きな音とともに路面から砂ぼこりがあがり、男性が攻撃を避けるように運転している様子がうつっています。

南部のヘルソン州で25日に撮影された動画では、男性が車を運転中にすぐ近くで攻撃があり、砂ぼこりが舞い上がる様子が捉えられています。

40の民間施設が攻撃か

ウクライナの地元メディアは26日、ウクライナ内務省の高官の話として、キエフ市内にあるウクライナ軍参謀本部の施設の近くにある橋がロシア軍によって攻撃されたとしています。

ウクライナ各地で1日で40の民間施設が攻撃されたということです。

この高官は「ロシアは民間施設を攻撃していないとうそをついている。子どもたちが殺害されたことを忘れてはならない」と強く非難しました。

ロシアで軍事侵攻に反対するデモ続く

ロシアではプーチン政権が進める軍事侵攻に反対するデモが警察の厳しい取り締まりにもかかわらず続いています。

ウクライナへの軍事侵攻に反対するデモは25日、ロシア第2の都市サンクトペテルブルクで行われ、参加者は「戦争反対」と声を上げながら大通りを歩きました。

警察は厳しく取り締まり、平和のシンボルとされる「ピースマーク」が描かれた紙を掲げた参加者は突然警察官に拘束され、警察の車両に乗せられていました。

ロシアの人権監視団体によりますと、ウクライナへの軍事侵攻に反対するデモに参加し拘束された人は25日時点で60都市1839人に上り、26日も各地でデモが行われ、拘束者が相次いでいるということです。