ウクライナ進出の日本企業 軍事侵攻で工場操業停止の動きも

ロシアの軍事侵攻を受けて、日本企業の中にはウクライナ国内にある工場の操業を停止する動きが相次いでいます。

大阪に本社がある住友電気工業によりますと、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて、従業員の安全を確保するため西部にある工場の操業を日本時間の25日から一時的に停止しました。

この工場ではおよそ6000人の従業員が働いていて、会社では従業員の安全を確保する必要があると判断したということです。現地に日本人の社員は駐在していないとしています。

この工場では、自動車用の電線を生産していて、会社では、ほかの国で代替生産が可能かどうかなど、今後の対応について自動車メーカーと協議しているということです。

JT=日本たばこ産業は、ウクライナ中部にあるたばこの製造工場の操業を24日から停止しました。

ウクライナ国内にはこの工場や営業拠点を含めおよそ900人の従業員がいますが日本人はおらず、外国籍の従業員はすでに国外に退避し、ウクライナ国籍の従業員については、自宅待機や在宅勤務としていて会社でも安全を確認しているということです。

工場では、日本向けの葉巻たばこの商品の一部などを製造していましたが、操業の再開時期は未定で、当面は在庫などで対応するとしています。

また、ウクライナの工場で自動車向けの部品を生産しているフジクラでは、今月末まで工場の生産を停止することを明らかにしました。

会社によりますと、ポーランドとの国境に近い西部の中心都市リビウにある工場で、電線などを束ねたワイヤーハーネスと呼ばれる部品を生産していますが、ロシア軍の侵攻のあと、工場の操業を停止し、およそ1400人の従業員に自宅で待機するよう指示したということです。

日本人の駐在員はいませんが、会社では、部品の供給網=サプライチェーンに影響が出ないよう、周辺国にある工場に一時的に生産を集約することも検討しています。

一方、国内の自動車メーカーのうちトヨタ自動車や日産自動車が、ウクライナに販売拠点を設けています。

日本人の駐在員はいませんが、現地の従業員に対しては、安全を確保するため自宅で待機するよう、指示しているということです。