【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(26日の動き)

ロシアは24日、ウクライナに対する軍事侵攻に踏み切り、ロシア軍とウクライナ軍の戦闘が続いているとみられています。
ロシア、ウクライナ、アメリカ、そして日本などの動きを随時更新してお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア大統領府「ウクライナ側が交渉拒否で侵攻再開」

ロシア大統領府のペスコフ報道官は26日、メディアに対して「25日午後、ウクライナ指導部との交渉が予想されたことでプーチン大統領は主要部隊の進軍を停止する命令を出した」と述べました。
しかしペスコフ報道官によりますと、ウクライナ側が交渉を拒否したということで、26日午後、ロシア軍の主要部隊の侵攻を再開したとしています。

ゼレンスキー大統領「敵を撃退できている」動画で強調

ウクライナのゼレンスキー大統領は26日、動画を公開し「私たちは敵の攻撃に耐え、撃退できている。国内の多くの都市や地域で戦闘が続いているが、わが軍はキエフや周辺の主要都市をコントロールできている」と述べ、ロシア軍への反撃に成功していると強調しました。
一方で「敵はミサイルや戦闘機などあらゆるものを使ってきた。住宅地を攻撃している」と述べ、ロシア軍がウクライナ軍の施設以外にも攻撃を続けているとして強く非難しました。

HRW「クラスター爆弾使用の可能性」ドネツク州

国際的人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は、親ロシア派が事実上支配している東部のドネツク州で病院の近くにミサイルが着弾し、民間人4人が死亡、医療従事者を含む10人がけがをしたと発表しました。
ヒューマン・ライツ・ウォッチが病院の医師などに確認したということで、現地で撮影された写真から、残虐な兵器として使用を禁止する国際条約があるクラスター爆弾が使用された可能性もあるということです。

西部リビウ 軍用機来襲知らせるサイレンが連日

ポーランド国境に近いウクライナ西部のリビウでは26日午前6時すぎ、軍用機の来襲などを知らせるサイレンが鳴り、ホテルの宿泊客などが近くにある別の建物の地下の部屋に避難しました。

氷点下の気温のなか首都キエフなどから避難してきた子ども連れの家族など数十人が、警報が解除されるまでの1時間ほど静かに座って身を寄せていました。

リビウでは前日にも3回サイレンが鳴り響きましたが、これまでのところ市内での被害は伝えられていません。

日本時間17:00 ウクライナ保健相 「攻撃で198人死亡」

ウクライナのリャシュコ保健相は26日、みずからのフェイスブックで、ロシア軍による攻撃によってこれまでに子ども3人を含む198人が死亡したと明らかにしました。およそ1100人がけがをして、30人余りの子どもも含まれているということです。

日本時間16:00 ロシア人も都内で抗議集会

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に対しては、ロシアの人々からも反対の声が上がっています。日本で暮らすロシア人が都内で集会を開き、抗議の声を上げました。

日本で暮らすロシア人のグループがSNSを使って集会への参加を呼びかけたところ、新宿駅前の広場には26日午後4時ごろ、ロシア人を中心に100人余りが集まりました。

参加者たちは「私たちはロシア人だが、戦争に反対する」と書かれたプラカードを掲げ「ウクライナに平和を!」などと繰り返し声をあげ、連帯の姿勢を示していました。

首都キエフの近くでロシア軍の車列破壊か

AP通信はウクライナ軍からの情報として26日、首都キエフの近くでロシア軍の車列が破壊されたと伝えています。撮影された映像には、道路上で激しく壊れ全体が黒く焼け焦げた車両と、その周辺を調べるウクライナ軍の兵士の様子が映っています。

ウクライナ大統領が新たな動画「自分の国を守る」

ウクライナのゼレンスキー大統領は26日、新たな動画を公開し「インターネット上では私が軍に武器を捨てるよう呼びかけ、避難しているというような多くの偽の情報も出回っている。私はここにいるし、武器は捨てない。私たちは自分の国を守る」と強調しました。

そのうえで「私たちにとっての武器は私たちの真実だ。真実とは、私たちの土地であり、国であり、私たちの子どもたちであり、私たちはこれらすべてを守る」と述べ、ウクライナの領土と国民を守り抜こうと結束を呼びかけました。

キエフの高層アパートに砲撃

ウクライナ内務省によりますと26日、首都キエフの中心部にある高層アパートに砲撃があったということです。地元メディアによりますとけが人がいるという情報もあり、救助作業が進められているということです。地元メディアは、ロシア軍によるミサイル攻撃だと伝えています。
この高層アパートはキエフ中心部の「独立広場」から5キロほどしか離れておらず、周囲には学校やホテルなどもあり人口が密集している地域です。

政府がロシアへの制裁措置を了承

政府は持ち回りの閣議で、さきに発表したロシアに対する制裁措置を了解しました。
具体的には
◇金融機関を対象とする資産凍結
◇軍事転用が可能な製品の輸出管理の強化
◇ロシアの国債などの日本での発行・流通の禁止
◇ロシアが一方的に独立を承認したウクライナ東部の一部地域の関係者の資産凍結
などが盛り込まれています。
政府はロシアの個人や団体の資産凍結や半導体の輸出規制などを行うことも発表していて、必要な準備を進めています。

日本時間13:00 日本でも軍事侵攻に反対するデモ

JR渋谷駅前で開かれた抗議集会では日本に住むウクライナ人など数百人が参加して、ウクライナの国歌を歌って連帯の意思を示しました。

「戦争をやめろ」とか「ウクライナを助けよう」と声を上げたほか「プーチンを止めろ」と書かれたプラカードを掲げるなどして、軍事侵攻を続けるプーチン政権を非難しました。

ウクライナ大統領「首都を失うわけにはいかない」

ウクライナのゼレンスキー大統領は25日、声明を発表し、首都キエフへの侵攻が迫っているとして国民に対して改めて抵抗を呼びかけました。

ゼレンスキー大統領は25日、国民に向けてビデオで声明を発表し「多くの都市が攻撃を受けている。特にキエフに注目が集まっているが、首都を失うわけにはいかない」と述べ、首都キエフへの侵攻に強い危機感を示しました。

ウクライナ南部で貨物船に砲撃か 日本の海運会社の子会社所有

ウクライナ南部の黒海で日本の海運会社が関係する貨物船が砲撃を受けたという情報を受け、国土交通省が確認を進めています。

関係者によりますと、砲撃を受けたのはパナマ船籍の貨物船「ナムラ・クイーン」で、愛媛県今治市にある海運会社のパナマの子会社が所有しているということです。

船の運航や管理に日本の企業は関係しておらず、フィリピン人の乗組員およそ20人のうち1人が軽傷とみられるということで、国土交通省が被害の詳細について確認を進めています。

米バイデン大統領がウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談

アメリカのバイデン大統領は25日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談しました。会談後のホワイトハウスの声明では「自分たちの国を守るために戦っている、ウクライナの人々の勇敢な行動を称賛した」としたうえで、ウクライナに対する経済や安全保障上の支援を続けるとともに、ほかの国々にも同様の支援を促していることを伝えたとしています。

米国防総省「ウクライナ側が激しく抵抗」

アメリカ国防総省の高官は25日、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の状況について、最新の分析結果を明らかにしました。

それによりますと、ロシア軍はウクライナの国境周辺に展開する地上部隊のうち、およそ3分の1の戦力をウクライナ国内に投入し、引き続き主に3つの方向から前進しているということです。

このうち、ウクライナ北部と国境を接するベラルーシから首都キエフに向かうルートでは、キエフに向かうロシア軍に対し、ウクライナ側がロシアの想定よりも激しく抵抗していると分析しています。

そのうえで「ロシア軍はキエフへの前進を引き続き試みているが、彼らが予想していたほど速くは移動できていない」と述べ、キエフへの侵攻がロシア側の想定よりも遅れているという認識を示しました。

アメリカ国防総省の高官は、ロシア軍はこれまでのところ、人口が集中する地域を奪えておらず、ウクライナの制空権も確保できていないとしていますが「情勢は急速に変化する可能性がある」と述べ、警戒感を示しています。

日本時間9:00前 日米外相会談「侵略は一方的な現状変更の試み」

ウクライナ情勢をめぐって、林外務大臣は、アメリカのブリンケン国務長官と電話で会談し、ロシア軍による侵略は、力による一方的な現状変更の試みで、アジア地域も含めた国際社会全体の秩序にも影響があるという認識で一致し、日米同盟の抑止力と対処力を強化していくことを確認しました。

日本時間8:00 ニューヨークでロシアへの抗議デモ

アメリカのニューヨークでは25日、前の日に続いて、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に抗議するデモが行われました。

マンハッタンのタイムズスクエアに集まったウクライナ出身の人など数百人は青と黄色の国旗を広げ、「ウクライナのために祈ろう」などと書かれたプラカードを掲げながら「プーチンを止めろ」と声を合わせて訴えました。

キエフの駅には大勢の人が殺到する様子も

首都キエフの駅で撮影された映像には、西部のリビウに向かう列車に乗ろうと荷物を抱えた大勢の人たちが殺到する様子が写っています。列車から離れるよう注意を促すためとみられる空砲が鳴り響くと、悲鳴が上がり、ホームは騒然としていました。

“プーチン大統領の長年の友人”指揮者 米NYでの公演前日に交代

ニューヨークのカーネギーホールで、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の指揮をする予定だったロシア人指揮者のワレリー・ゲルギエフ氏が、公演開始前日に交代すると発表されました。
ゲルギエフ氏はロシアのプーチン大統領の長年の友人とされ、NHKの取材に対し劇場側は、交代の理由について「最近の世界情勢を踏まえたものだ」と説明し、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が影響したとみられています。

日本時間7:40ごろ 国連安保理 ロシア拒否権で決議案は否決

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐり、国連の安全保障理事会では、ロシア軍の即時撤退などを求めるアメリカなどが提案した決議案が採決にかけられ、理事国15か国のうち欧米など11か国が賛成しましたが、ロシアが拒否権を行使し決議案は否決されました。

ロシア 首都陥落に向け本格作戦か 一方で話し合いに応じる姿勢も

プーチン大統領は25日、クレムリンで安全保障会議を開催し「ウクライナ軍の兵士に訴える。あなた方の手で権力を奪取しなさい。あなたたちと話す方が、簡単なようだ」と述べ、ウクライナ軍に対して、ゼレンスキー政権を見限り、権力を奪取するよう促しました。
また、ウクライナのゼレンスキー大統領がプーチン大統領に会談を求めたのに対し、ロシア大統領府のペスコフ報道官は「ウクライナの中立的な地位について話し合うなら会談する用意がある」と述べ、ウクライナの非軍事化・中立化を条件に隣国のベラルーシでウクライナ側と会談する用意があることを明らかにしました。ロシアは軍の部隊をキエフに向けて進めながら、対話の条件として非軍事化の要求を突きつけ、ウクライナのゼレンスキー政権への揺さぶりを強めています。

ウクライナ大統領が動画投稿「私たちは皆ここにいる」

ウクライナのゼレンスキー大統領は、大統領府のフェイスブックなどに動画を投稿し、自身がまだウクライナに残っていると強調しました。
動画は30秒余りで、ロイター通信によりますと、首都キエフの街なかで撮影されたということで、ゼレンスキー大統領が政府の高官ら4人とともに映っています。いつ撮影されたかは不明ですが、1人がスマートフォンの画面に表示された時間を示す様子も映っています。
動画でゼレンスキー大統領は「皆さんこんばんは」と呼びかけたうえで「私たちは皆ここにいる。兵士もここにいるし、市民もここにいる。私たちは独立を守る。ウクライナに栄光あれ」などと語りかけています。

国連難民高等弁務官事務所「400万人がウクライナ国外避難も」

UNHCR=国連難民高等弁務官事務所は25日、ウクライナでは安全を確保するために避難を始めた人の数が、推計で10万人を超えるとみられると明らかにしました。また、5万人以上がすでに国境を越えて周辺国に逃れたとみられるとしています。
UNHCRのマントゥー報道官は25日、スイスのジュネーブで開いた定例の記者会見で「今後、状況がエスカレートすれば、400万人に上る市民がウクライナから国外へ逃れることになるかもしれない」と述べました。
UNHCRは近隣の国々に対して、国境を閉ざすことなく避難してきた人たちを受け入れるよう呼びかけています。

米国防総省 “ロシア軍激しい抵抗受け首都侵攻に遅れ”

アメリカ国防総省の高官は25日、記者団に対し、キエフに向かっているロシア軍がウクライナ側から激しい抵抗にあっていると指摘しました。そのうえで「ロシア軍はキエフへの前進を引き続き試みているが、彼らが予想していたほど速くは移動できていない」と述べ、キエフへの侵攻がロシア側の想定よりも遅れているという認識を示しました。
さらに人口が集中する地域はいずれもロシア側に奪われておらずウクライナの制空権もまだ制圧されていないとしています。
一方、この高官は、ウクライナへの侵攻に展開されているロシア軍の部隊のうち、現在、ウクライナ国内に投入されているのは、全体の3分の1の戦力で、残りの部隊は国境周辺にとどまっているほか、アゾフ海に面した東部ドネツク州のマリウポリの西側では、ロシア軍の数千の部隊が上陸している可能性があると明らかにし「情勢は急速に変化する可能性がある」と述べて、警戒感を示しました。

米報道官「ロシアは見せかけで強圧的な外交」

ロシアのプーチン政権が、ウクライナの非軍事化と中立化を条件に話し合いに応じる姿勢を示していることについて、アメリカ国務省のプライス報道官は25日、記者会見で「ミサイルや迫撃砲などでウクライナの人たちを狙っている中での提案であり、本物の外交ではなく、見せかけで強圧的な外交だ」と強く批判しました。
そのうえで「もしプーチン大統領が外交に真剣に取り組むつもりなら、市民を狙った爆撃をやめ、軍の部隊を撤退させるべきだ」と述べました。

EU プーチン大統領とラブロフ外相に制裁決定

EUは25日、ベルギーのブリュッセルで外相会議を開き、24日の緊急の首脳会議で合意したロシアへの追加制裁の詳しい内容について協議しました。

会議のあと記者会見したEUの外相にあたるボレル上級代表は、加盟国がロシアのプーチン大統領とラブロフ外相に制裁を科すことで一致したと明らかにしました。EU域内の資産の凍結などの対象になるとみられます。
ボレル上級代表は「これは重要な一歩だ。EUがこれまでに制裁を科した世界の国のトップは、シリアのアサド氏とベラルーシのルカシェンコ氏だけだ」と述べ異例の措置だと強調しました。

追加制裁ではこのほか、金融の分野や輸出の規制の面でも制裁措置の対象を拡大するとしていて、今後も状況に応じてさらに制裁を強化する方針です。

日本時間3:30すぎ “隣国など避難者受け入れ整備” ロイター通信

ロイター通信によりますと、ポーランドには、侵攻が始まった24日に、ウクライナから2万9000人が入国し、その半数は攻撃から逃れてきた住民だということです。ポーランド政府は最大で100万人の受け入れに備えるとしています。
また、ルーマニアでは24日以降、ウクライナからおよそ1万9000人が入国し、そのうち8000人ほどはブルガリアやハンガリーに向かったということです。
このほか、スロバキアには24日、およそ3000人がウクライナから入国してきたということで、各国は滞在施設を準備するなど受け入れ体制の整備を進めています。
ウクライナは、徴兵の可能性がある18歳から60歳の男性の出国を制限していて、避難民の多くは子どもや女性だということです。

日本時間3:00ごろ NATOが記者会見 東欧に部隊派遣へ

NATOは25日、オンラインで緊急の首脳会議を開き、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けた今後の対応を協議しました。ストルテンベルグ事務総長は会議のあとの記者会見で「NATOの一部の加盟国と接するパートナー国が全面的な侵攻を受けている。ヨーロッパにおいてこの何十年もの間で最も深刻な安全保障上の危機だ」と述べ強い懸念を示しました。

NATOは声明でウクライナに近いヨーロッパ東部の防衛態勢を強化することで加盟国が合意したとしたうえで、不測の事態に迅速に対応するため高度な能力を備えた即応部隊を派遣するとしています。
部隊の規模や派遣先は具体的には明らかにしていませんが、ロシアがウクライナ国内で軍事侵攻を続ける中、自国の安全保障に不安を強めているヨーロッパ東部の加盟国の求めに応じた形です。

英首相 “プーチン大統領とラブロフ外相制裁へ”NATO首脳会議で

イギリスのジョンソン首相は、現地時間の25日、NATOの首脳会議で、前日に発表したロシアへの経済制裁に加え、プーチン大統領とラブロフ外相に対し、近く制裁を科す意向を明らかにしました。

さらに、プーチン政権に対し最大限の痛みを与えるためとして最も厳しい措置の1つとされる、銀行間の国際的な決済ネットワークであるSWIFT=「国際銀行間通信協会」からロシアの銀行を排除する措置を各国で協調して実施する必要があると呼びかけました。首脳会議で、ジョンソン首相は「プーチン大統領が東西冷戦後の秩序をひっくり返そうとしている。その野望はそこにとどまらないだろう」として、今回の侵攻はヨーロッパと大西洋にとっての危機でもあるという考えを示したということです。

日本時間未明 エッフェル塔 ウクライナの国旗の色でライトアップ

フランス パリでは、現地の25日夜にエッフェル塔がウクライナの国旗の色にライトアップされました。塔の上半分が青色、下半分が黄色に照らされていて、ロイター通信によりますと、パリ市のイダルゴ市長がウクライナの人たちへの連帯を示すために実施を要請したということです。

ロシア軍 道路脇の監視カメラ使えないように動かしたか

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が各地で続く中、ウクライナ南部のヘルソン州の道路脇に設置された監視カメラには、南部のクリミアからヘルソンに向かってロシア軍のものとみられる複数の戦車やトラックなどが列を作って進む様子が映されていました。

また、監視カメラを使えないようにするためか、兵士たちが監視カメラの角度を下向きに動かしたあと、再び移動を始める様子も映っています。