雇用調整助成金の特例措置 6月末まで延長へ 厚労省

雇用調整助成金の特例措置について、厚生労働省は新型コロナの影響が続いているとして、ことし6月末まで延長することを決めました。

雇用調整助成金は、企業が従業員の雇用を維持した場合に、休業手当などの一部が助成される制度で、新型コロナの影響を受けた企業を対象に特例措置が設けられています。

具体的には「まん延防止等重点措置」などの対象地域で、休業や営業時間の短縮などに協力した企業や、直近3か月の月平均の売り上げが3年前までのいずれかの年と比べて、30%以上減少した企業には一日当たりの上限額を1万5000円に、助成率を大企業と中小企業いずれも最大100%に引き上げています。

それ以外の企業についても助成率を中小企業は最大90%、大企業は最大75%に引き上げています。

特例措置の期限は3月末までとなっていましたが、厚生労働省は、新型コロナの影響が続いているとして、ことし6月末まで延長することを決めました。厚生労働省は当初5月末まで延長する方向で調整を進めていましたが、与党内から、さらなる支援の強化を求める意見が出たことなどから、6月末まで延長することにしました。

厚生労働省によりますと、雇用調整助成金の支給額は、特例措置が設けられたおととし2月からことし2月18日までに5兆3000億円余りに上っています。

後藤厚生労働相「まずは命と暮らしをしっかり守る」

後藤厚生労働大臣は、記者団に対し「今のオミクロン株の流行状況や経済の状況など考えて決定した。今後、政府を挙げて経済と新型コロナ対策の両立に向けてしっかりと対応していく。まずは、命と暮らしをしっかり守っていくということに努めたい」と述べました。