ロシア軍事侵攻 スポーツ界で会場変更や試合延期など

UEFA=ヨーロッパサッカー連盟は25日、ことし5月にロシアで行う予定だったヨーロッパチャンピオンズリーグ決勝の会場をフランスに変更することを決めました。

今シーズンのヨーロッパチャンピオンズリーグ決勝は、ことし5月28日にロシアのサンクトペテルブルクで開催される予定でした。

しかし、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けてUEFAは25日、臨時の会合を開き、決勝の会場をフランス、パリ近郊のサンドニに変更することを決めました。

また、UEFAの大会に出場するロシアとウクライナのクラブチームと代表チームはホームの試合を当面、中立地で開催することも合わせて決めました。

ラグビー欧州選手権 ロシア戦は延期 F1ロシアGPは「開催不可」

スポーツ界では、ロシアによるウクライナ侵攻の影響とみられる試合の延期や中止が相次いでいます。

ラグビーヨーロッパによりますと来年のラグビーワールドカップの予選を兼ねて27日にジョージアのトビリシで行われる予定だったヨーロッパ選手権のジョージア対ロシアの試合は延期となりました。

ラグビーヨーロッパはホームページで声明を発表し「現在の状況を考慮してすべての選手と関係者の健康と安全を守る」などとしています。

また、国際自動車連盟は、公式のホームページで9月に開催を予定しているF1シリーズの「ロシアグランプリ」について「現在の状況では開催することは不可能」とする声明を発表しました。

このほか国際スポーツクライミング連盟は4月にロシアで予定していたワールドカップの中止を決めました。大会はほかの場所で開催する予定だということです。

スキーのW杯もロシア開催分を中止か代替地開催へ

国際スキー連盟は25日、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて選手や関係者の安全を確保するため、来月にかけてロシアで予定されているスキーの各種目のワールドカップについて、中止にするか、代替地での開催に切り替えることを決めたと発表しました。

中止か、代替地での開催となるのは今月予定されていたスキークロス、来月19日以降、4戦が予定されていたジャンプ女子のほか、クロスカントリーとエアリアルです。

このうちジャンプ女子には、日本から高梨沙羅選手など5人の派遣が計画されていました。また今月26日から開かれる予定だったスキークロスのワールドカップに向けてすでに各国の選手たちがロシアに滞在していますが、国際スキー連盟は「関係者と緊密に協力して彼らが速やかに帰国できるようにしている」としています。

アーティスティックスイミングの国際大会を中止

国際水泳連盟は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて、4月にロシアで開催する予定だった国際大会の中止を決めました。

国際水泳連盟によりますと、中止となったのは、ことし4月にロシアで開催する予定だったアーティスティックスイミングと飛び込みの国際大会です。

この大会について、ほかの場所で開催が可能な場合は改めて発表するとしています。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を巡り、IOC=国際オリンピック委員会は、国際競技連盟に対して今後、ロシアとベラルーシで予定されている国際大会は中止するか代替地で開催するよう求めていました。