鈴木財務相 ウクライナ侵攻でロシア3銀行の資産凍結の方針表明

ロシア軍によるウクライナへの侵攻を受けて、鈴木財務大臣は25日の閣議のあとの記者会見で、追加の経済・金融制裁としてロシアの3つの銀行を対象に資産凍結を行う方針を明らかにしました。

この中で鈴木財務大臣は、「ロシア軍による侵攻は、力による一方的な現状変更を認めないという国際秩序の根幹を揺るがすものであり、国際社会と緊密に連携して迅速に対処していく。金融、輸出管理などの分野で欧米と足並みをそろえて速やかに強い措置をとる。金融分野ではアメリカやEUによる資産凍結の対象となっているロシアの3つの銀行について資金凍結を行う」と述べ、追加の金融制裁を行う方針を明らかにしました。

対象となるのは、
▽開発対外経済銀行と
▽プロムスビヤズ・バンク、
それに
▽バンク・ロシヤの3行です。

また鈴木大臣は、金融担当大臣として、サイバー攻撃の潜在的なリスクが高まっているとして、金融機関に対しセキュリティー対策を強化するよう呼びかけたことを説明したうえで、「仮にサイバー攻撃を受けた場合には、速やかに金融庁、財務局に報告するよう周知した。関係機関と緊密に連携し、金融分野のサイバーセキュリティー確保に努めたい」と述べました。

ロシアの銀行への資産凍結 追加制裁のねらい

日本政府が資産凍結の対象としたロシアの銀行のうち、開発対外経済銀行、通称「VEB」は、地域開発や輸出関連の融資などを行う政府系の金融機関です。また、プロムスビヤズ・バンクは、軍事関連の産業と関係が深いとされているほか、バンク・ロシヤは、経営陣がメディアに力をもっていて、ウクライナ東部の不安定化に関与しているとみられるということです。

3つの銀行が日本国内に持つ資産は多くはないとみられますが、これらの銀行については、アメリカやEU=ヨーロッパ連合が、すでに資産凍結の対象にしており、ほかの国と協調し、ロシア経済に打撃を与える姿勢を示すねらいがあります。

一方、日本政府は、ロシアの政府系銀行で国内最大の「ズベルバンク」について、今回は資産凍結の対象にはしていませんが、ロシアが2014年にウクライナ南部のクリミアを併合したときに、日本国内での証券の発行を禁止しています。