NY原油市場 WTI先物価格 一時1バレル=100ドル超 7年7か月ぶり

24日のニューヨーク原油市場ではロシアによるウクライナ侵攻を受けて産油国ロシアからの供給が滞る懸念が強まり、国際的な原油の先物価格が一時、7年7か月ぶりに1バレル=100ドルを超えました。

24日のニューヨーク原油市場ではロシアによるウクライナ侵攻を受けて産油国ロシアからの供給が滞ることへの懸念が一段と強まりました。

このため、原油価格の国際的な指標となるWTIの先物価格は、92ドル台を中心に推移していた前日から大幅に上昇し、一時、1バレル=100ドル台をつけました。

1バレル=100ドル台をつけるのは2014年7月以来、7年7か月ぶりです。

WTIの先物価格は、新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大への懸念から去年12月のはじめには一時、62ドル台まで下落していましたが、その後、上昇傾向になっています。

市場関係者は「現実味は低いとみていた投資家もいたため、軍事侵攻をきっかけに買い注文が膨らむことになった。今後の事態の推移が見通せず、原油価格の上昇傾向に歯止めがかかるかどうかはますます不透明になっている」と話しています。

原油価格の高騰はガソリン価格などの上昇を通じてインフレ圧力を高めることになりすでに記録的なインフレが課題になっている欧米各国をはじめ、世界経済の重荷になることが懸念されます。

小麦の先物価格上昇 9年5か月ぶりの高値水準に

24日のシカゴ商品取引所では、小麦の先物価格が1ブッシェル当たり一時、9ドルを超え、2012年9月以来、9年5か月ぶりの高値水準に上昇しました。

ロシアによるウクライナ侵攻によって小麦の輸出国であるロシアとウクライナからの供給が今後、滞ることへの警戒感が出ていることが背景です。

先物価格の上昇が続けば、小麦の多くを輸入に頼る日本にとって、食品の価格に影響する可能性があります。