外国為替市場でロシア通貨急落 ロシア中央銀行 市場介入へ

ロシアによるウクライナへの攻撃を受けて、外国為替市場ではロシアの通貨ルーブルを売る動きが急速に強まり、ドルに対して一時、1ドル=89ルーブル台まで値下がりして、これまでの最安値を更新しました。

これを受けてロシアの中央銀行は、通貨の安定に向けて市場介入に踏み切ることを決めたと発表しました。

また、モスクワの取引所は24日、株式などの取り引きを一時停止する措置を取りました。

その後、株式市場で取り引きが再開されると売り注文が殺到して、株価指数は前日に比べて30%を超える値下がりとなり、金融市場は大きく混乱しています。

アジアの株式市場 大幅下落

ロシアによるウクライナへの侵攻を受けて、24日のアジアとオセアニアの株式市場でも先行きへの懸念が強まり、株価が大幅に下落しました。

各地の代表的な株価指数の終値は、
前日と比べて、
▽シンガポールで3.4%、
▽香港で3.2%の、
大幅な下落となりました。

また、
▽オーストラリア・シドニーで2.9%、
▽韓国で2.6%、
▽台湾で2.5%、
さらに
▽中国 上海でも1.7%、
それぞれ下落しました。

多くの市場では、日本時間の昼ごろ、ロシアのプーチン大統領が特別な軍事作戦を実施することを明らかにしたと伝わると、売り注文が膨らんで、下げ幅が急速に拡大しました。

市場関係者は「ロシアの軍事作戦の実行によって、アジアやオセアニアでも投資家の間に世界経済の先行きへの懸念が強まり、リスクを避ける動きが一気に広がった」と話しています。

ヨーロッパ株式市場 開始直後から大幅下落

日本時間の24日夕方に取り引きが始まったヨーロッパの主な株式市場は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて株価が大幅に下落しています。

日本時間の午後5時に始まったヨーロッパの主な株式市場は、取り引き開始直後から全面安の展開となり、ドイツのフランクフルト市場では下げ幅が一時、4%を超えました。

主な市場の株価指数は、前日の終値と比べて、日本時間の午後6時時点で、
▽フランクフルト市場で3.6%下落しているほか、
▽パリ市場で3.0%、
▽ロンドン市場で2.6%と、
いずれも大幅な値下がりとなっています。

市場関係者は「アメリカによるロシアのガス事業会社に対する制裁措置でエネルギーの供給が滞る懸念が強まっていたところに、ロシアがウクライナに侵攻し、市場では制裁がさらに広がるとの見方が出ている。このためヨーロッパ各国の歴史的なインフレが一段と加速することに警戒感が強まっている」と話しています。