ガソリン 7週連続値上がり ウクライナ情勢で来週さらに上昇か

今週のレギュラーガソリンの小売価格は、全国平均で1リットル当たり172円と、先週より0.6円値上がりしました。政府の対策で価格は抑えられているものの、ウクライナ情勢の緊迫化で原油価格は高騰していて、来週はさらに値上がりする見通しです。

国の委託を受けてガソリン価格を調査している石油情報センターによりますと、今月21日時点のレギュラーガソリンの小売価格は、全国平均で1リットル当たり172円で、先週より0.6円値上がりしました。

値上がりは7週連続で、およそ13年ぶりの高値水準が続いています。

また、灯油の店頭価格は全国平均で18リットル当たり2020円と、先週より9円値上がりしました。

政府は石油の元売り会社に補助金を出して、ガソリンなどの卸売価格を引き下げる異例の対策を実施していて、経済産業省はこの対策によってガソリンも灯油も1リットル当たり5円分、小売価格の上昇を抑えられたとしています。

ただ、補助額はすでに1リットル当たり5円の上限に達しています。

また、ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部の住民を保護するためとして、特別な軍事作戦の実施を明らかにしたことを受けて、原油市場では産油国ロシアからの供給が滞ることへの懸念が強まり、原油の先物価格は上昇しています。

こうしたことを受けて、ガソリンや灯油の小売価格は来週もさらに値上がりする見通しです。

ガソリンスタンド運営会社「政府の対策 焼け石に水」

全国でガソリンスタンドを運営する会社は、ガソリン価格の上昇に歯止めがかからないことで販売量が減って厳しい経営が続いているとして、国に対し対策の強化を訴えています。

名古屋市に本部を置く「宇佐美グループ」は、全国で500近くのガソリンスタンドを運営しています。1月下旬に石油元売り会社に補助金を出す国の対策が実施された直後は、仕入れ価格が抑制され、スタンドでの小売価格も一定程度、抑えられていたということです。
しかし、補助金の額が1リットル当たり5円の上限に達して以降、仕入れ価格は再び上昇しているということです。大野達廣副社長は「これだけガソリンが高くなるとお客様も車に乗らなくなるので、今月のガソリン販売量は去年の同じ月に比べ5%以上落ち込んでいる。利益が少なくなり、小売業者としては経営が厳しい状況が続いている」と話しています。

そのうえで「石油元売りに補助金を出す政府の対策は焼け石に水と言っては失礼だが、全然足りないと思う。ウクライナ情勢の緊迫化もあり、今後ますますガソリンの仕入れ価格は上がっていくと思うので、政府には国民が生活しやすいようさらなる対策を考えてほしい」と訴えていました。