ウクライナ情勢緊迫化 日本政府 NSC=国家安全保障会議を開催

ロシアがウクライナへの軍事行動を始めたという情報を受け、政府は、NSC=国家安全保障会議を開き、岸田総理大臣は、現地に滞在する日本人の安全確保に努めるとともに、引き続き情報の収集と情勢の把握を進めるよう指示しました。

ロシアがウクライナへの軍事行動を始めたという情報を受け、政府は午後3時すぎからおよそ20分間、総理大臣官邸で、岸田総理大臣をはじめ、林外務大臣や岸防衛大臣らが出席して、NSC=国家安全保障会議の閣僚会合を開きました。

このあと、岸田総理大臣は記者団に対し「ウクライナ情勢について関係省庁から説明を受けた。状態は緊迫しており、私から関係省庁に対し、可能なかぎりウクライナ在住の邦人の安全確保に努めるよう指示するとともに、引き続き政府部内でより詳細な情報の収集や情勢の把握に努めるよう指示した」と述べました。

そのうえで「今回のロシアによる侵攻は、力による一方的な現状変更を認めないという国際秩序の根幹を揺るがすものであり、ロシアを強く非難するとともに、アメリカをはじめとする国際社会と連携して迅速に対処していく」と述べました。

また、ロシアに対する追加の制裁措置について「関係各国との意思疎通・連絡をしっかり図ったうえで、今後の対応については具体的に考えていきたい」と述べました。

ウクライナが上空の飛行制限する情報 国交省が情報収集

国土交通省によりますと、ウクライナ当局が日本時間の24日午前11時ごろ、民間の航空機に危険がおよぶ可能性があるとして、ウクライナ上空の飛行を制限する航空情報を出したことを受け、日本への運航の影響などがないか情報収集を進めているということです。

全日空と日本航空によりますと、2社が運航する日本と海外を結ぶ航空便でこの周辺を飛ぶ便はなく、今のところ影響は出ていないということです。

日本航空 モスクワ便の欠航決定

日本航空は、ウクライナをめぐる情勢の緊迫を受け、24日午後5時半に羽田空港からモスクワ空港に向けて出発する便の欠航を決めました。

今後の運航については、状況を見て判断するとしていて、ホームページなどで最新の情報を確認するよう呼びかけています。

日本船主協会 加盟社の貨物船 これまでに被害情報なし

全国126の海運会社でつくる日本船主協会によりますと、24日現在、ウクライナとロシアなどが面する黒海には、加盟社が運航する貨物船が7隻停泊していて、このうち3隻はウクライナの港に停泊しているということです。

船に日本人の船員はおらず、これまでに被害の情報は入っていないということですが、協会が引き続き情報収集を進めています。

また加盟社に対して、拿捕などのリスクを避けるため、ロシアとウクライナの領海を航行する場合は十分に注意するよう、周知したということです。

政府 官邸連絡室を官邸対策室に

ロシアがウクライナへの軍事行動を始めたという情報を受け、政府は総理大臣官邸の危機管理センターに設けている官邸連絡室を、午後2時半に官邸対策室に格上げして、情報の収集などにあたっています。